型枠を使わずに有機的な形状のセメント系構造物を製作できる、建設用3Dプリンター。現場を「工場」に変える力を持つだけでなく、これまで施工が難しかった新しい構造や形状を具現化する可能性を秘めている。海外に比べて出遅れている日本でも、建設用3Dプリンターの導入や開発の動きが出てきた。国内外の現状と展望に迫る。

*掲載予定記事のタイトル・内容は予告なく変更することがあります。ご了承ください。
型枠を使わずに有機的な形状のセメント系構造物を製作できる、建設用3Dプリンター。現場を「工場」に変える力を持つだけでなく、これまで施工が難しかった新しい構造や形状を具現化する可能性を秘めている。海外に比べて出遅れている日本でも、建設用3Dプリンターの導入や開発の動きが出てきた。国内外の現状と展望に迫る。
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3Dプリンターに可能性を見いだし、建設業界に新風を吹き込もうとするスタートアップ。その技術を取り込もうと、世界最大規模の建設系企業も協業や出資を申し出る。注目のスタートアップ5社が挑む建設業界の革新に迫った。
建設用3Dプリンターの実践的な活用で日本が遅れた理由は、制度面の障壁だけではなさそうだ。慣習にとらわれない柔軟な姿勢が、技術の可能性を押し広げる。
コンクリート3Dプリンターで、橋や住宅などの大型構造物を建設するプロジェクトが進むオランダ。研究者として技術開発を率いるアイントホーフェン工科大学のテオ・サレット教授に、技術開発の状況と活用の見通しを聞いた。
オランダの首都アムステルダムから列車に乗って1時間半。同国随一の「発明都市」と呼ばれるアイントホーフェン市の一角に、その工場はあった。大きめの体育館ほどの広さを持つ施設に入ると、中央でレールの上に据えられた高さ2mほどのロボットアームが目に飛び込む。
米南カリフォルニア大学のバロク・ホシュネビス教授がセメント系材料を積層して建物を造る構想を打ち出したのは1990年代後半のこと。その後、欧州を中心に研究開発が活発化。2010年代に入って建設業界の巨大企業による投資が加速した。関心の高まりやデジタル技術の発展に伴い、今後、市場の急速な拡大が予想され…
大成建設がアクティオ(東京都中央区)、太平洋セメント、有明工業高等専門学校の3者と共同で開発した、建設用3Dプリンター「T-3DP」。制御用パソコンで読み込んだ3次元データに基づいて、セメント系材料(モルタル)を1層当たり約1cmの厚さで押し出して積層・実体化する。ノズル部の移動速度は、最速毎秒5…
竹中工務店は、セメント系構造物そのものを造形するという視点とは別の考え方で、3Dプリンターを生かそうとしている。同社が着目したのは型枠だ。研究開発の端緒は、2014年に慶応義塾大学環境情報学部の田中浩也教授と共同で開発した「ArchiFAB」になる。
前田建設工業が2019年2月に行ったICI総合センターICIラボの開所式で、3Dプリンターによるデモンストレーションが参加者の目を引いた。当日は高さ2.8mの喫煙所のハウジングの造形を実演。1時間で1m程度の高さを積層できる能力を披露した。
型枠を使わずに有機的な形状のセメント系構造物を製作できる、建設用3Dプリンター。現場を「工場」に変える力を持つだけでなく、これまで施工が難しかった新しい構造や形状を具現化する可能性を秘めている。海外に比べて出遅れている日本でも、建設用3Dプリンターの導入や開発の動きが出てきた。まずは、国内の動きを…