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 日経アーキテクチュアによる「10大建築人2020」で、6位には石上純也建築設計事務所主宰の石上純也氏が選ばれた。「水庭」「サーペンタイン」「洞窟レストラン」など奇想天外な建造物で世界から注目を集め、2020年は複数のプロジェクトが完成を迎える。

 石上純也建築設計事務所(東京都港区)主宰の石上純也氏は「2019年はターニングポイントだった」と、開口一番に切り出した。数年越しのプロジェクトの工事がようやく始まり、片や半年という短期間で英ロンドンにサーペンタインのパビリオンを完成させて同6月に公開した。

石上純也建築設計事務所主宰の石上純也氏。19年は多くの工事が大詰めを迎え、20年に完成するプロジェクトを多数抱えている(写真:北山 宏一)
石上純也建築設計事務所主宰の石上純也氏。19年は多くの工事が大詰めを迎え、20年に完成するプロジェクトを多数抱えている(写真:北山 宏一)
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 夏の間だけ公開される仮設のサーペンタインパビリオンは2000年に始まり、過去には日本からも伊東豊雄氏やSANAA、藤本壮介氏が設計を手掛けてきた。石上氏はその仲間入りを果たした。

19年6月、英ロンドンのサーペンタインギャラリーに完成したパビリオン(写真:Serpentine Pavilion 2019 Designed by Junya Ishigami、Serpentine Gallery、London (21 June – 6 October 2019)、(c)Junya Ishigami + Associates、Photography (c)2019 Iwan Baan)
19年6月、英ロンドンのサーペンタインギャラリーに完成したパビリオン(写真:Serpentine Pavilion 2019 Designed by Junya Ishigami、Serpentine Gallery、London (21 June – 6 October 2019)、(c)Junya Ishigami + Associates、Photography (c)2019 Iwan Baan)
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薄い石積みを106本の細い柱で浮かせたようなデザインを採用(写真:Serpentine Pavilion 2019 Designed by Junya Ishigami、Serpentine Gallery、London(21 June – 6 October 2019)、(c)Junya Ishigami + Associates、Photography(c)2019 Norbert Tukaj)
薄い石積みを106本の細い柱で浮かせたようなデザインを採用(写真:Serpentine Pavilion 2019 Designed by Junya Ishigami、Serpentine Gallery、London(21 June – 6 October 2019)、(c)Junya Ishigami + Associates、Photography(c)2019 Norbert Tukaj)
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 石上氏は6月のパビリオンオープン直前にインタビューに応じ、「石の壁で周囲を覆わずに、開かれた洞窟のような空間を構築した」と設計の意図を語っている。

サーペンタインパビリオンの公開直前に、模型を使ってインタビューに答える石上氏(写真:山田 愼二)
サーペンタインパビリオンの公開直前に、模型を使ってインタビューに答える石上氏(写真:山田 愼二)
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 「19年は国内外のあちこちで工事が進み、今後の仕事の在り方や建物のつくり方を考えさせられることが多い1年だった。実物が立ち上がってくると、コンセプトを超えた気づきがいくつもある」。石上氏はそう振り返る。

 石上氏も45歳になり、次のステップを模索し始めている。「建築に対する新しい発見がほしい時期に入ってきた」と打ち明ける。「同じものを二度つくりたくはないし、完成形が100%見えているようなプランはあえて選ばないようにしている」と言い切る。