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 日経BPが2019年11月28日に都内で開催した「日経 xTECH ITイノベーターズサミット」に、企業でデジタル変革をけん引するCIOやCDO、CMO、データサイエンティストなど「日経 xTECH ITイノベーターズ」のエグゼクティブメンバー(幹事会員)40人が集結。DX成功の道筋やリーダーが2020年にすべきことについてディスカッションした。

 「2020年のデジタル戦略」で、盛り上がったのが「誰が推進すべきか」という点である。主な意見を紹介しよう。

DXの統括組織をどうつくるか、悩ましい

――日清食品ホールディングス 執行役員 CIO 喜多羅 滋夫 氏

 日清食品では、グループを挙げてDXを推進している最中だ。例えば、各部門が自発的にチャットボットやRPAなどの導入テストをしている。

 ただし、グループ全体でバラバラに取り組んでいては効率が悪い。「グループのDXプロジェクトを取りまとめる組織が求められている。この組織形態をどうするか」。日清食品ホールディングスの喜多羅滋夫執行役員CIOグループ情報責任者はこの点に悩んでいると打ち明けた。

日清食品ホールディングスの喜多羅滋夫執行役員CIOグループ情報責任者
日清食品ホールディングスの喜多羅滋夫執行役員CIOグループ情報責任者
(撮影:井上 裕康)

 「DXプロジェクトの進捗を管理するためだけの組織になってはつまらない。とはいえ、経営課題としてどんなプロジェクトにどれだけ投資するかを把握したり審議したりする体制は必要。うまい立て付けを模索している」と話す。

 管理のためではなく、DXへの新しい挑戦を促進するような組織のあり方を考えている。

半年間熟考し、IT部門とは別にデジタル組織をつくった

――デンソー 技術開発センター デジタルイノベーション室長 成迫 剛志 氏

 DXの実行部隊についての意見も出た。「既存のIT部門がDXを担当すべきである」「IT部門とは別のデジタル化推進部門を新設すべきだ」といった具合に意見が分かれた。

 既存のIT部門とは別にデジタル化推進部門を新設したのがデンソーだ。同社はデジタルイノベーション室を2017年4月に設立。当時の判断について、成迫剛志デジタルイノベーション室長が語った。

デンソーの成迫剛志デジタルイノベーション室長
デンソーの成迫剛志デジタルイノベーション室長
(撮影:井上 裕康)

 「既存のIT部門を中核にデジタル化を推進する選択肢もあった。しかし、既存のIT部門がDXを進めると、どうしても業務改善プロジェクトに引きずられてしまうと考えた。新しいサービスを作る目的をはっきりさせるため、別組織にした」と言う。

 発足当初は2人が所属していたデジタルイノベーション室は現在、協力会社の人材を含めて100人規模になっているという。