PR
全2537文字

日経BPが2019年11月28日に都内で開催した「日経 xTECH ITイノベーターズサミット」に、企業でデジタル変革をけん引するCIOやCDO、CMO、データサイエンティストなど「日経 xTECH ITイノベーターズ」のエグゼクティブメンバー(幹事会員)40人が集結。DX成功の道筋やリーダーが2020年にすべきことをについてディスカッションした。

 2020年にどんなデジタル化施策を手がける予定か。先進企業のDXキーパーソンに聞くと意外な悩みが飛び出した。

デジタル化ニーズが許容量の3倍、取捨選択に悩む

――SUBARU IT戦略本部 情報企画部長 辻 裕里 氏

 「2020年に実施すべきデジタル化施策について、どのように優先順位を付けるべきか悩んでいる」。SUBARUの辻裕里IT戦略本部情報企画部長はこう打ち明ける。

SUBARUの辻裕里IT戦略本部情報企画部長
SUBARUの辻裕里IT戦略本部情報企画部長
(撮影:井上 裕康、以下同じ)

 と言うのも、多数のデジタル化要望が事業部門などからIT部門に寄せられているからだ。辻部長が2020年の計画を立てるため、社内でデジタル化の要望を募ったところ「IT部門の遂行能力の3倍もの要望が来た」(辻部長)と言う。

 「許容量に対して1~2割多い程度の要望数であれば何とか打つ手を考えられるが、3倍となると根本的にやり方を変えなければならない。社内の仕組みや体制の見直しなどに着手したい」と辻部長は話す。

「役員が認識しているか」で優先度を見極める

――中尾マネジメント研究所(NMI)社長 中尾 隆一郎 氏

 「リクルートグループのIT会社、リクルートテクノロジーズの社長を務めていたときに、まさに似たような状況があった」

 SUBARUの辻部長の悩みを受けて、『最高の結果を出すKPIマネジメント』などの著書で知られる中尾マネジメント研究所(NMI)の中尾隆一郎社長はこう切り出した。中尾社長はリクルートグループで要職を歴任した人物で、後に独立した。現在はマネジメントスキルのコンサルタントである。

中尾マネジメント研究所(NMI)の中尾隆一郎社長
中尾マネジメント研究所(NMI)の中尾隆一郎社長

 中尾社長によると、当時リクルートテクノロジーズにはグループの事業会社から多くのデジタル化の要望が寄せられた。その数はSUBARUと同様に、許容量の3倍以上の場合もあったという。このとき「3つのポイントに気を付けて対処した」と中尾社長は言う。

 1つめは「人材確保」。内部人材の育成と外部人材の調達についての計画を作り、それをグループ内に示した。2つめは「案件の因数分解」。可能な限り、1つのプロジェクトを複数の小さいプロジェクトに分割した。「プロジェクト規模が小さければスキルの低いプロジェクトマネジャーでも任せられるため」(中尾社長)

 3つめが「優先順位の付け方」である。「事業会社の役員会に議題が出ていない案件は優先順位が低いと機械的に判断した」と中尾社長は言う。実は大半のデジタル化要望は現場が求めているだけでその企業の役員会に提出されていなかった。

 どのような社内プロセスを経て要望が出てきたのか。この点がプロジェクトの優先順位を付ける判断材料になるというわけだ。

この記事は有料会員限定です

日経クロステック有料会員になると…

専門雑誌8誌の記事が読み放題
注目テーマのデジタルムックが読める
雑誌PDFを月100pダウンロード

有料会員と登録会員の違い