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2020年が幕を開けた。デジタル技術の進化によって人々の生活や社会はどう変わるのか。企業はどんな対応をすべきか。商機はどこにあるのか。20の技術や市場・関心事を対象に、2020年の行方を大胆予測した。今回は働き方改革を取り上げる。

 企業が社員1人ひとりのニーズをくみ取って人事制度を改定・試行する「人事PoC(概念実証)」の動きが2020年は活発になるだろう。これにより一段と働きやすくなる。

図 働き方改革に関して予想される企業の動き
図 働き方改革に関して予想される企業の動き
働き方改革はさらに加速
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 2019年4月に施行された働き方改革関連法が背景にある。多様な働き方の実現を目指した同法は「残業は月45時間の上限を超えてはならない」「年5日の年次有給休暇を確実に取得させる」といった義務を企業に課した。違反すれば経営者らに罰則が科される。

 企業内部でも多様な働き方へのニーズが高まっている。働き方改革の動向に詳しいNTTデータ経営研究所の加藤真由美ビジネストランスフォーメーションユニットシニアマネージャーは「多くの企業で仕事と育児・介護を両立させたいという声が現場社員から上がっている」と話す。

 内外の変化を受け、ある大手企業は人事制度の見直し方法を変えた。従来は法にのっとり業界での標準的な在り方を調べ、検討に検討を重ねたうえで慎重に制度を確立させていた。制度改定の頻度も少なかった。これをまずは社員のニーズを組み上げ、ニーズありきで頻繁に制度を見直すようにした。