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ある病院でCT(Computed Tomography)検査の画像をパソコンに表示できないというトラブルが発生した。パソコンと画像保管サーバーの通信経路を調べたところ、病院のネットワークにあってはならない「落とし穴」が見つかった。

 高い信頼性を求められるネットワークでは、ネットワーク機器の選定にも注意する必要がある。本来は信頼性が高い企業向け製品を導入すべきだが、コストを重視したり、信頼性を軽んじたりしてコンシューマー向け製品を導入するベンダーやインテグレーターは少なくない。そのような場合、該当機器の故障により業務に支障を来す恐れがある。今回のトラブルはその典型例だ。

CT室の撮影画像を取得できない

 システムインテグレーターのテックデザインで社長を務める河野 哲治さんは2018年9月上旬、ある病院(以下、A病院)のCT担当技師から連絡を受けた。CT装置が設置された部屋(CT室)の隣にある操作室から、CT装置で撮影した画像を表示できないというのだ。同社は、医療機関のネットワーク構築や運用管理を手掛けるシステムインテグレーターである。

 河野さんは、A病院のネットワークの運用管理を担当している。A病院を含む3つの病院を経営する医療法人から依頼を受けて、1年ほど前から院内ネットワークの運用管理を請け負っている。対象となるネットワークは、別の複数の業者が構築したものだ。

 連絡をした技師はCT室の隣にある操作室のパソコンで、CT画像を表示しようとしていた。CT室にはCT装置と医療用画像システムのサーバー(画像保管サーバー)があり、CT画像は画像保管サーバーに保存されている。操作室のパソコンで専用のソフトを使って、画像保管サーバーに保存された画像を開く。

A病院で発生したトラブル
A病院で発生したトラブル
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 トラブルの前にはA病院のネットワークに変更を加えていない。トラブルの原因となるようなことの心当たりはなかった。

 とはいえ、放っておくわけにはいかない。最短で訪問できる日を調整し、A病院の休診日に当たる翌日に病院を訪れた。

障害を確認できない

 病院に着いた河野さんは、早速操作室のパソコンから専用ソフトを使って画像保管サーバーに保存されたCT画像にアクセスした。すると、問題なく表示された。

 障害を確認できなかったが、念のためpingコマンドを使って、疎通確認を複数回行った。応答パケットが届かなかったり、応答が届くまでに時間がかかったりすることはなかった。

翌日病院で調査するものの障害を確認できず
翌日病院で調査するものの障害を確認できず
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 もしかしたら表示に時間がかかっていたのかもしれないと思い、パソコンのリンクランプを確認した。ハードウエアの障害が原因で、イーサネットのリンク速度が低速で接続される場合があるからだ。しかしリンクランプで正常だと確認できた。

 河野さんは「障害を確認できなかった」とメモを残して、その日は病院を後にした。

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