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ある医療機関においてすべてのパソコンがインターネットにつながらなくなった。インターネットの出入り口となるルーターやUTMの不調を疑ったが、機器には異常がなかった。ネットワーク管理者が調査した結果、予想もしなかったことが原因だと分かった。

 ネットワークトラブルの原因は様々で、究明までに時間がかかることが多い。調査の過程で想定外の現象に遭遇することもある。だが、過去の経験を基に仮説を立てて時間をかけて丹念に調べることで、結果的に早期の解決につながることは少なくない。全く予想できなかった原因をわずか1日で明らかにした今回のトラブルはその好例といえるだろう。

 トラブルを解決したのは、和歌山市にあるアーチネットの代表、松本 裕之さん。アーチネットは、ネットワークの構築・保守やLANケーブルの敷設などを手掛けるインテグレーターである。

3つのネットワークを運用

 トラブルの舞台になったのは、ある医療機関である。7階建ての建物でインターネット系、電子カルテ系、医療画像情報系の3つのネットワークを運用している。

トラブルが発生したある医療機関のネットワーク構成
トラブルが発生したある医療機関のネットワーク構成
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 松本さんは2015年に、電子カルテ系と医療画像情報系のネットワークを構築した。そしてインターネット系を含むすべてのネットワークの保守を担当するようになった。インターネット系は10年以上前に構築されたとみられ、松本さんは構築に関わっていない。

 トラブルが発生したのは2020年3月のある日の朝。医療機関のシステム担当者から松本さんに電話があり、「インターネットにつながらないのですぐに来てほしい」と告げられた。この日の午前中は私用で休むつもりだったが、予定をキャンセルして医療機関に向かった。

ルーターとUTMを再起動したらトラブルが解消
ルーターとUTMを再起動したらトラブルが解消
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 医療機関に到着した松本さんはシステム担当者に会った。そしてインターネットに接続できないトラブルが、全部門で発生していると聞かされた。そこで医療機関のパソコンでいくつかのWebサイトにアクセスしてみた。しかしどのWebサイトも表示されなかった。一方、LANに設置した経理部門のサーバーには問題なくアクセスできた。