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大学のある建物でインターネットに接続できなくなった。担当者は無線LANルーターでのケーブルの誤接続を見つけて間違いなく対処したものの、なぜかトラブルは解消しなかった。その後の調査で、予想もしなかった事実が明らかになる。

 トラブルの原因を特定して間違いなく対処したはずなのに一向に解決しない――。ミステリーのようだが、トラブルの現場ではたまにあることだ。阪南大学の池宮 直さんが遭遇した今回のトラブルはまさにその典型例だった。

8号館だけ接続できない

 トラブルの舞台となったのは阪南大学の本キャンパス。本キャンパスの各建物のネットワークは1号館のコアスイッチと接続されている。学内のネットワークを管理する教務部教育情報課も1号館にある。池宮さんは同課に所属している。

トラブル発生時の阪南大学のネットワーク構成
トラブル発生時の阪南大学のネットワーク構成
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 2017年5月10日の午前、大学に出勤した池宮さんに、8号館のある研究室の教員から「インターネットに接続できない」という電話があった。8号館には講義をする教室のほかに研究室などが入っている。

 早速、池宮さんは原因究明に乗り出した。まずインターネットに接続できない範囲を特定することにした。1号館にいた池宮さんが自分のパソコンでインターネットにアクセスすると問題なくつながった。

状況を確認したが原因は判明しない
状況を確認したが原因は判明しない
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 トラブルを報告した教員のパソコンに問題があるかもしれないと池宮さんは考え、パソコンが正しく接続されているかを電話で確認した。教員にコントロールパネルを開かせて、画面に映っている接続状況を報告してもらった。教員のパソコンは有線で接続していたのでケーブルの断線を疑ったからだ。だが問題は見当たらなかった。

 次にコマンドプロンプトで「ipconfig」コマンドを実行させて、デフォルトゲートウエイのIPアドレスを調べてもらった。すると「150.9.xxx.yyy」と表示されたという。これは正しいIPアドレスである。

 そうこうしているうちに教務部教育情報課には、8号館の教員数人からインターネットにつながらないという報告が次々と寄せられていた。8号館以外からは報告がないので、トラブルは8号館だけで発生しているようだった。8号館の教員に調査をお願いするのはここまでとして、池宮さんは1号館からリモートで調査することにした。