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NTT東日本の修理担当者から連絡

 午後1時を過ぎたあたりで、NTT東日本の修理担当者から連絡が入った。

 古関さんと修理担当者の間で状況の確認が始まった。修理担当者がまず聞いてきたのは、使用している機器の確認。古関さんはNTT東日本からレンタルした機器を使っていた。「社内で連絡が行き届いていればどんな機器を使っているかを聞く必要はないはず。サポートの担当者と修理の担当者で連携が取れていないのだろうと感じました」(古関さん)。

NTT東日本の担当者と話し合ったが原因は分からず
NTT東日本の担当者と話し合ったが原因は分からず
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宅内ネットワークで使用しているネットワーク機器
宅内ネットワークで使用しているネットワーク機器
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 そこで古関さんも質問を返した。例えば、使用している機器が1Gビット/秒の通信に対応しているかどうかを尋ねた。これらの機器はIPv6対応に切り替えたときに更新したので、間違いなく1Gビット/秒に対応しているはずだった。

 また「電源は入っていますか」「配線を変えていませんか」などの基本的な事項の確認が修理担当者からあったが、「電源は入っています。そもそも宅内での工事や作業が不要と聞いていたので、何も手を付けていません」と回答した。

 古関さんは工事がいつ実施されたのかを聞いたが、工事担当者ではないため分からないとのことだった。「ここでも情報が共有されていないのだなと感じました」(古関さん)。

 古関さんはほかに似たようなトラブルが起きていないかも聞いてみたが、耳にしたことはないという。

ONUのステータスLEDを確認

 状況は膠着してしまった。「どうしてでしょうね」とお互いに言い合っているような状況で、決定打となるような原因がつかめないのだ。

 だがここで古関さんがある程度詳しいことを理解したためか、修理担当者は「ONUのステータスLEDを確認してほしい」と提案。古関さんが見たところ、UNIのLED以外は点灯していた。この状態を修理担当者に伝えたところ、「それは光電話ルーターを認識していない状況を示していますね」という回答だった。

修理担当者の一言で宅内に原因があると判明
修理担当者の一言で宅内に原因があると判明
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 つまりNTT東日本の施設とONUは正しく接続しているということになる。逆に言えば問題は宅内にあるということだ。そこで古関さんは宅内の状況を検証することにした。宅内に問題が見つからない場合には、再度連絡すればNTT東日本から修理のための人員を派遣してもらえることを確認して電話を切った。

故障は考えにくい

 古関さんは考え込んでしまった。古関さんはビッグローブの社長に就任する前は、NECの中央研究所に勤務していたエンジニアである。その知見から真っ先に排除したのが故障の可能性だ。

 故障が発生する原因としてよくあるのは物理的な振動や静電気によるサージなどだ。雷雨が発生していたわけでもないし、ネットワーク機器を移動させてもいない。従って故障している可能性はかなり低く、無視できると考えた。

 全く心当たりがない中でいろいろと考えているうちに、宅内ネットワークにおいて変化した点に注目した。変わったのはONUまでの光回線が100Mビット/秒から1Gビット/秒に変わった点だ。

 通信回線の速度が変わることでつながらなくなるとしたら原因は何か。そこで古関さんが思い至ったのがLANケーブルだ。

LANケーブルが原因と推測
LANケーブルが原因と推測
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 イーサネットの規格では、100Mビット/秒の100BASE-TXの場合にはカテゴリー5のLANケーブルが利用でき、1Gビット/秒の1000BASE-Tの場合カテゴリー5eのLANケーブルが必要になる。

LANケーブルの規格と対応するイーサネットの規格
LANケーブルの規格と対応するイーサネットの規格
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 そこでONUと光電話ルーターを結ぶLANケーブルを見ると、カテゴリー5だった。手持ちのカテゴリー5eのケーブルに交換してみると、UNIのLEDが点灯してインターネット接続が回復した。これでトラブルは解決した。「我ながらよく思いついたもの、と思いました」と古関さんは述懐する。