全2553文字
PR

IPv6回線を別途導入

 まずは、同社がIPv6を導入するまでの経緯を説明しよう。きっかけは、IPv4回線を契約しているプロバイダー(以下、プロバイダーA)から届いた広告メールだった。メールには「IPv6・IPoEに対応しました」と書かれていた。

IPv6の導入で回線を追加した理由
IPv6の導入で回線を追加した理由
[画像のクリックで拡大表示]

 メールを受け取った同社社長の渡瀬 忍さんは、「今後顧客から要望があるかもしれないので、勉強のためにIPv6を導入しようと考えました」と話す。

 ただIPv4からIPv6への移行については、慎重に検討する必要があると渡瀬さんは考えていた。既存のIPv4回線を業務で使っていたからだ。

 既存の回線はIP電話サービスやリモートメンテナンス、渡瀬さんの自宅との通信用のVPNサービス「フレッツ・VPN ワイド」に利用していた。IPv6に移行したときにこれらが使えなくなると業務に支障を来す。こうした事情を契約中のプロバイダーAのサポートに尋ねたが、「分かりません」という答えが返ってくるだけだった。

 渡瀬さん自身が調べたところ、リモートメンテナンスで利用していたツールがIPv6で使えないことが分かった。そのため、IPv4回線を残してIPv6回線を別途契約することに決めた。

プロバイダーを料金で選んで失敗

 IPv6回線は業務とは直接関係のない実験的に使う回線なので、渡瀬さんはコストをあまりかけたくないと考えた。そこで月額料金が安い回線事業者とプロバイダーBと契約した。

 回線事業者からはONUが、プロバイダーBからはルーターが届いた。このとき、渡瀬さんはルーターを見て驚いた。ルーターのLANポートが100Mビット/秒の100BASE-TX対応だったからだ。すぐにプロバイダーBに連絡して交換するよう頼んだが、応じられないということだったのでプロバイダーBとの契約を解除した。

最初に契約したプロバイダーBから届いたルーターはギガビット非対応
最初に契約したプロバイダーBから届いたルーターはギガビット非対応
[画像のクリックで拡大表示]

 その回線事業者はプロバイダー(以下、プロバイダーC)としてインターネット接続サービスも提供している。そこで今度はプロバイダーCのサービスを利用することにした。そのサービスでは、指定されたルーターを利用者が購入することになっている。そのルーターのLANポートは1Gビット/秒の1000BASE-T対応だった。

 回線事業者からレンタルされていたONUをそのまま利用し、指定されたルーターを購入してすぐに使い始めることができた。体感速度はIPv4より速く、「これがIPv6なんだと実感しました」(渡瀬さん)。

IPv6導入で速くなったが原因不明のエラーが発生
IPv6導入で速くなったが原因不明のエラーが発生
[画像のクリックで拡大表示]