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鉄建建設は2020年9月、社内システムが利用できなくなるトラブルに見舞われた。取引先を装ったメールの添付ファイルを社員が開封してマルウエアに感染。基幹システムなど社内サーバーの95%が暗号化の被害を受けた。ウイルス対策ソフトを過信し、未知の脅威への対策が不十分だった。復旧まで2カ月を要し、サイバー攻撃を受けた際の備えも不足していた。

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 「未知のウイルスに対するガードが甘かった。ウイルス対策ソフトを入れているからと安心し、(社内ネットワークに)侵入されてしまってからの対策が不十分だったことは否めない」――。2020年9月にサイバー攻撃の被害を受けた鉄建建設の前田智宏経営企画本部経営企画部担当部長は悔しさをにじませる。

 鉄建建設は9月23日の朝からメールシステムやファイルサーバーを利用できなくなるトラブルに見舞われた。午前7時ごろから情報システム部に不具合の問い合わせが入り始め、午前8時半の始業時には電話が殺到した。ただ同社は過去にも社内ネットワークが一時的につながらなくなるなどのトラブルを経験しており、このときも「少し待てばすぐに復旧するだろう」と誰しもが思っていた。

表 サイバー攻撃を受けた鉄建建設のトラブルの経緯
取引先を装うメールに添付されたファイルによってマルウエアに感染した
表 サイバー攻撃を受けた鉄建建設のトラブルの経緯
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