PR
全1801文字

「ロボットに衣装を着せ、人との距離を縮める」という斬新な発想が驚きを呼んだ。米国シリコンバレーの起業家たちと議論した際に浮かんだアイデアだ。制服作りのプロは「人とロボットの共存」を目指して独創的な事業を推進する。

(写真:林田 大輔)
(写真:林田 大輔)
[画像のクリックで拡大表示]

 2019年11月5日、東京・渋谷にオープンしたばかりの「渋谷スクランブルスクエア」で、泉幸典はロボット用衣装のファッションショー「ロボコレ2019」を主催した。2018年6月に続き2回目だ。15機種、総勢82体のロボットが登場。パーカやアロハシャツ、スーツ、駅員の制服などを身にまとい、人に抱かれたり引率されたりしながらランウエーで拍手喝采を受けた。

 会場には約300人が詰めかけた。観客はマスコミ関係者やロボットファンに加えて、日ごろは互いに顔を合わせることが珍しいロボットメーカー各社の担当者たちだった。

 ユニホームメーカーに長らく在籍し、様々な制服を作ってきた泉が、ロボット用衣装に着目したきっかけは2015年に遡る。当時、泉は日本の高品質な制服を海外で販売しようとしていた。米国シリコンバレーへの出張を繰り返し、テック企業や日本企業の現地法人に行商した。

 現地で起業家やエンジニアと会い議論した際、「日本の先端産業とは何か」という話になった。結論はロボットだった。議論の中で、泉はある事実に気付いたという。デパートや銀行、病院にロボットが配置されたとして、実際に使うのはテクノロジーに疎い人たちだ。だとすると、ハイスペックなロボットを裸のままで置いても、使い方はおろか何ができるのかも分からない。

 こうして「ロボットに制服を着せれば役割がひと目で分かり、愛着も沸いて人と共存しやすくなるのではないか」という発想に着地した。

Pepperとの出会いで飛躍

 衣装を初めて提供したのは、ソフトバンクロボティクスが製造する人型ロボットPepper用の法被だった。みずほ銀行からの依頼によるもので、Pepper は2016年5月に開店した同銀行八重洲支店の接客要員として配置された。これが同年7月のソフトバンクロボティクスとの提携につながる。Pepper用の公式衣装としてお墨付きを得たのだ。

この記事は有料会員限定です

日経クロステック有料会員になると…

専門雑誌8誌の記事が読み放題
注目テーマのデジタルムックが読める
雑誌PDFを月100pダウンロード

有料会員と登録会員の違い