業容の拡大に合わせ、積極的なIT投資を続けてきたオリックス生命保険。創業30年を超えた今、IT投資の在り方を変えクラウドシフトを進める。「技術を追い続ける覚悟」を説くCIOに内製力強化の取り組みなどを聞いた。
オリックス生命保険の創業は1991年で、2021年には創業30周年を迎えた。2006年9月から「医療保険CURE」という商品を販売するなどして、現在では保有する保険契約件数が480万件を超えるまでに規模を拡大した。
ここ10年ほどは、IT部門も事業の成長をいかに止めないかという観点で、積極的なIT投資を進めてきた。2015年から順次、ミッションクリティカルなシステムのほぼ全てに、米ニュータニックスのHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャー)を導入したのがその一例だ。HCIは小規模な導入から段階的にリソースを拡張できる。当時の業容拡大のペースに合わせてシステムをスケールできたので、非常に良い選択だったと自負している。
ただ、そろそろIT投資の在り方を変えていかなければならない。稼働から時間が経過したアプリケーションが増えてきたからだ。あと5年もすると、半分のシステムが稼働から10年を超えることになる。
私はサイバーセキュリティーを除く全てのITサービスの企画、設計、構築、運用を管掌する立場にある。2015年に入社して以降、事業の成長を止めないためのITを追求してきたが、ここからは事業の成長をより促進するようなITへと変えていく必要があると考えている。