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慶応義塾大学病院は医療にAI(人工知能)を本格的に活用しようとしている。その旗振り役は院内の情報化を主導する副病院長だ。診療科ごとの取り組みを改め、病院全体で「AIホスピタル」を目指す。

陣崎 雅弘(じんざき・まさひろ)氏
陣崎 雅弘(じんざき・まさひろ)氏
1987年に慶応義塾大学医学部を卒業、同大学医学部放射線診断科に入局。99年に米ハーバード大学付属Brigham and Women’s Hospitalに留学。2014年より慶応義塾大学医学部放射線科学教授、17年より副病院長と医療情報システム部長を兼任。(写真:陶山 勉)
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 慶応義塾大学病院はAI(人工知能)やセンサー、ロボットなど先端技術の導入を進めてきた。内閣府が募集した「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」プロジェクトに我々の取り組みが選定されたのをきっかけに、2019年からは現場の個別の取り組みを改め病院全体のプロジェクトとして推進している。

 従来は診療科ごとに医師がAIなどの先端技術を導入したり、国から研究費を得て研究開発を進めたりしていた。2017年にはメディカルAIセンターを設置し、医療AIの研究に取り組んできた。具体的には深層学習などを利用して医療画像を解析する技術を開発したり、医療ビッグデータを活用するための基盤を整備したりしてきた。

 ただ同じような研究開発を別々に手掛けていては効率が悪い。全診療科が連携して一緒にやっていく必要がある。そこで個々の取り組みに関する情報を院内で共有し、意思決定を一元化する体制を作ることにした。

 AIホスピタルのプロジェクトは私が率いている。AIなどを研究してきた医療スタッフを巻き込むため、まず誰がどんな研究に取り組んできたのかを把握するように努めた。彼らの取り組みを否定するような形になってはいけない。これまでの成果を前提にしてこそ、皆の協力が得られる。

 プロジェクトに関心を示した医師には、それぞれの診療科の「AI担当医」になってもらった。AI担当医はプロジェクトの目的などを各診療科に伝えるとともに、診療科ごとの課題やニーズを報告してもらっている。

 プロジェクトの意思決定プロセスも簡素にした。毎月1回、プロジェクトの責任者とAI担当医ら約50人が集まる会議を開いている。ポイントは病院のトップである病院長をはじめ幹部にも出席してもらい、この会議で最終的な意思決定をできるようにした点だ。その結果、会議で決まった内容を迅速に実行に移せている。

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