全1762文字
PR

クレディセゾンは2021年9月に新たなDX(デジタル変革)戦略を策定した。2024年度までにデジタル人材を1000人育成し、内製化にも注力する。起業家から老舗金融企業に転じた気鋭のCIOに新戦略の狙いを聞いた。

小野 和俊(おの・かずとし)氏
小野 和俊(おの・かずとし)氏
1976年生まれ。1999年にサン・マイクロシステムズ入社。2000年にアプレッソ起業。2013年にセゾン情報システムズと資本業務提携、同社に入社。2015年に同社の取締役CTO。2019年にクレディセゾンにCTOとして入社、2021年3月にCIOを兼務、2021年6月より現職。(写真:陶山 勉)
[画像のクリックで拡大表示]

 2021年10月にコールセンターのシステムに新機能を追加した。問い合わせのうち例外的な事例についてはテキスト入力で報告してきたが、システムで対応できるようにした。コールセンターのオペレーターを中心に与信担当者など約2000人の業務効率の改善に寄与した。

 システムで対応していなかったのは、外注に依存する従来の体制では開発が難しかったからだ。実は、開発チームのリーダーはプログラミングを学んで1年程度の40代の社員。「絶対に必要な機能だが、コールセンター業務を熟知していないと開発は無理だ」と思い、コールセンター業務の傍ら自らプログラミングを学ぼうとしていた。

 そんな矢先の2020年8月末に、当社は事業部門での経験やスキルを活用しながら、デジタル知識を学んで全社のデジタル化を推進する「ビジネスデジタル人材」を社内公募することにした。この社員も応じ、同年11月にデジタル部門に異動してきた。

 もう1人のビジネスデジタル人材と開発に当たり、3カ月ほどの短期間で完成させた。一部ITベンダーから支援を受けたが、全てを外注する場合に比べ費用を半分以下にできた。