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1ドル分の価値につき推定49セント分の健康・環境被害

 ビットコインを支持する人々は、発電に関しては再生可能エネルギーの開発が急速に進んでいることから、同通貨の環境への影響は穏やかだと主張する。

 しかし、ビットコイン価格が急騰する前の2019年に米ニューメキシコ大学(University of New Mexico)の研究者らが行った見積もりによれば、米国ではビットコインが創出した価値1ドル(約110円)につき、49セント(約54円)分の健康・環境被害がもたらされたという。

 ビットコインを批判する人々からは、利用がイランなどの国に集中していることを指摘する声もある。国際社会からの制裁措置で原油の輸出が止められる一方で、安価で豊富な電力の恩恵を受けることのできるイランでは、米政府の目を逃れるビットコイン採掘者が急増している。

 ラウクス氏によれば、「採掘活動の元をたどると、約5〜10%がイランに行き着く」。

 一方で同氏は、ビットコインの採掘の大部分は中国で行われているとの見方を示した。中国の採掘者は、一年のある時期になると、同国南部の膨大な水力発電エネルギーを利用しているという。乾期には褐炭による火力発電が行われている北部へ移るが、褐炭は環境汚染度が高い。

ビットコインのシステム改革は可能?

 ビットコイン人気が上昇している中、批判も高まっている。

 暗号資産として2番目に利用者が多いイーサリアム(Ethereum)は、プルーフ・オブ・ワークのプロトコルからエネルギー大量消費への依存が低いシステムへの移行を検討している。

 しかしビットコインの場合は、こうした変化を受け入れるのは非常に難しい。ネットワークの非中央管理性や安全性が低下するリスクがあるからだ。

 プルーフ・オブ・ワークはビットコインの「価値体系や文化に深く根付いているため」、このプロトコルを放棄するのは「冒涜(ぼうとく)に等しい」とラウクス氏は指摘する。

 同氏によれば、ビットコインのコミュニティーでこれまでに何度も改革が試みられてきたが、大改革には至っていない。

(c)AFP 【翻訳編集】AFPBB News