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【4月30日 AFP】米ニューヨーク市警(NYPD)は29日、今年2月から事件現場に試験導入した犬型ロボット「デジドッグ(Digidog)」について、運用を中止すると発表した。導入をめぐって市民から反発の声が上がっていた。

米ボストン・ダイナミクスが開発したロボット犬「スポット」
米ボストン・ダイナミクスが開発したロボット犬「スポット」
(2019年6月4日撮影、資料写真)。(c)Mark RALSTON / AFP
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 NYPDはAFPに対し、デジドッグの開発元である米企業ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)との契約を4月22日で終了したことを認めた。当初の契約は8月末までで、契約金は9万4000ドル(約1020万円)だった。

 デジドッグは、ボストン・ダイナミクスのロボット犬「スポット(Spot)」をNYPDが昨年レンタルし、カスタマイズした機体。遠隔操作が可能で、足場の悪い場所を移動したり障害物をよけたりしながら周囲を写真・動画で撮影し、情報を収集できる。NYPDは、AI(人工知能)を搭載したデジドッグが「人命を救い、人々を守り、警官を守る」助けになるとうたっていた。

 だが、米ネットフリックス(Netflix)配信のディストピアSFシリーズ「ブラック・ミラー(Black Mirror)」に登場する四足歩行ロボットを思わせる外観のデジドッグが今年2月、マンハッタン(Manhattan)の公営住宅での逮捕劇に試験的に投入されると、NYPDに対する怒りの声が上がった。

 NYPDは続いて、今月起きたブロンクス(Bronx)での立てこもり事件でもデジドッグを活用した。

 反対派は、ロボット犬の導入で米警察当局の軍事化が浮き彫りになったと批判。民主党のアレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)下院議員は、「自律的に監視を行う地上ドローン」と評し、人権団体「米国自由人権協会(ACLU)」は放置すればやがてロボットが警察権の執行判断を下すことになりかねないと懸念を示した。

 NYPDでテロ対策を指揮するジョン・ミラー(John Miller)副本部長は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に、ロボット犬は警察批判の「標的」となってしまったため、ボストン・ダイナミクスに返却されると語った。

 「ブラック・ミラー」シリーズを手掛けるチャーリー・ブルッカー(Charlie Brooker)氏はかねて、主人公らがディストピア社会で四本足の暴力的なロボットから逃げ回る2017年制作のエピソード「メタルヘッド(Metalhead)」について、ボストン・ダイナミクスのロボット犬「スポット」に着想を得たと語っていた。

(c)AFP 【翻訳編集】AFPBB News