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【12月31日 AFP】スペイン・バルセロナ(Barcelona)を象徴する未完の巨大教会、サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)。9代目の主任建築家を務めるジョルディ・ファウリ(Jordi Fauli)氏(62)は、1882年に着工されたこの教会が待望の完成に至るまで総指揮を担うと思われていた。

 だが、約140年間続いてきた工事は今、新型コロナウイルスの流行に阻まれ、遅れている。完成時にファウリ氏が指揮を執っているかどうかは、もはや不確かだ。「もちろん、これからも何年もここにいたいが、それは神の御手にかかっていることですから」と笑う。

スペイン・バルセロナの未完の巨大教会サグラダ・ファミリアを見上げる主任建築家ジョルディ・ファウリ氏(2021年12月1日撮影)。(c)LLUIS GENE / AFP
スペイン・バルセロナの未完の巨大教会サグラダ・ファミリアを見上げる主任建築家ジョルディ・ファウリ氏(2021年12月1日撮影)。(c)LLUIS GENE / AFP
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スペイン・バルセロナの未完の巨大教会サグラダ・ファミリアの中でインタビューに応じる主任建築家ジョルディ・ファウリ氏(2021年12月1日撮影)。(c)LLUIS GENE / AFP
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スペイン・バルセロナの未完の巨大教会サグラダ・ファミリアの内部(2021年12月1日撮影)。(c)LLUIS GENE / AFP
スペイン・バルセロナの未完の巨大教会サグラダ・ファミリアの内部(2021年12月1日撮影)。(c)LLUIS GENE / AFP
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 1990年に地元の建築家としてチームに加わったとき、ファウリ氏はまだ31歳だった。カタルーニャ人の天才建築家アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)が、19世紀末から残り40年余りの生涯をささげたこの最高傑作を築き始めたのと同じ年齢だった。

「私がここに来たときは、列柱のうち立っていたのは3本だけで、高さも10メートルしかなかったのです」。ファウリ氏は身廊のバルコニーから見下ろし説明した。「内部全体を設計し、それから聖具室、今は主要な塔と、建設を監督してこられたことは幸運でした」

 サグラダ・ファミリアは、完成すれば18本の尖塔(せんとう)がそびえる教会となる。最も高い尖塔は高さ172メートルに達する予定だ。

 2番目に高い聖母マリア(Virgin Mary)の塔(138メートル)は先ごろ完成し、今月8日、先端に設置された5.5トンの巨大な星の飾りとともにライトアップされた。尖塔の完成は1976年以来で、すでに完成している9本の塔の中では最も高い。

没後100年の完成は白紙に

 だが昨年3月、サグラダ・ファミリアは新型コロナウイルスの流行で閉鎖され、およそ1年間、その門は閉ざされたままだった。建設が中断されたのは、1930年代のスペイン内戦(Spanish Civil War)以来だ。

 建設費は主に観光客の見学料で賄われているが、コロナ危機によって大幅減収となり、目指していたガウディ没後100年となる2026年の完成は不可能となった。

 ファウリ氏は「いつ完成するのか、予測できません。今後数年間でどれだけ訪問者数が回復するか、分からないからです」と語った。

 2012年に主任建築家に指名され、建築家72人、建築職人100人以上のチームを引き継いだ。今は建築家5人と建築職人約15人が、サグラダ・ファミリアの完成に取り掛かっている。

 ガウディに一つ質問できるとしたら何を聞きたいかと尋ねると、ファウリ氏は少し考えて答えた。「この建築に込めた深い思い、目に見える形ではなく、どんな感情を伝えたかったのかを聞くでしょう」