【4月22日 東方新報】中国で今年に入り、携帯電話の売り上げが伸び悩んでいる。中国情報通信研究院(CAICT)によると、1~2月の携帯電話出荷台数は4788万6000台にとどまり、前年同期比で22.6%減少した。春節(旧正月、Lunar New Year)シーズンの1~2月は、紅包(お年玉)をもらった学生がスマートフォンを買ったり、帰省した若者が親に新品を買い与えたりなど、例年なら購入台数が増える時期。それを見込んで携帯各社は新モデルを発表してセールスをかけるだけに、今年の冷え込みは異例だ。
新型コロナウイルスが国内で再燃していることや半導体不足の影響もあるが、専門家は「今すぐ買い替えたいと思うほどの技術革新がないことが大きい」と指摘する。データの移行やアプリの再ログインが面倒なため、「バッテリーの寿命が伸びた」「急速充電」程度のセールスポイントでは買い替え意欲を刺激しないという。実際、ユーザーの間では「スマホのイノベーションは終わった。古い酒を新しい酒瓶に入れ替えているだけ」「スマホを買うよりスマホケースを替えれば十分」といった反応が目立つ。
アナリストの傅亮(Fu Liang)氏は「近年、国内の携帯市場は高価格帯が主流となっている。一方で一般ユーザーは新型コロナの拡大による景気の低迷で自分の収入が減ることを心配しており、消費に保守的になっている」と話し、市場と消費マインドのギャップを指摘する。携帯電話の平均買い替えサイクルは28か月とされるが、携帯電話の耐久性は上がっている分、買い替えサイクルは今後伸びていく可能性がある。