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 無線LANの新しい規格Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応した製品を導入するとき、1世代前のIEEE 802.11acと比べて、アクセスポイント(AP)の配置設計で注意すべき点はあるだろうか。またWi-Fi 6で同時通信する端末を増やすと合計のスループットはどれほど向上するのか。実験で確認してみよう。

実験 電波範囲

 無線LANを導入する際は、電波が到達する範囲を確認して、APの配置を検討する。そこで気になるのが、Wi-Fi 6対応APの電波が届く範囲だ。ヒートマップを作製して調べてみた。

電波強度を記録したマップ

 電波範囲はヒートマップで確認する。ヒートマップは導入予定のAPを仮設置し、APから送信されるビーコンフレームを専用ツールで受信しながら電波強度を記録したマップである。

 この実験では、米シスコシステムズ(Cisco Systems)の「Catalyst 9115」を利用した。なおヒートマップは、無線LANの規格が同じでも利用するAPによって異なる。そのため1種類のAPを使用した。

 ヒートマップを作製するために、APを専用のポールに固定して、天井近くに取り付けたときと同じような状況をつくった。

 屋内で使用する36chを利用し、APの電波出力は6段階中の上から3番目に設定した。APのほうが端末よりアンテナの能力が高いため、APの出力を最大に設定すると、APから端末への電波が届くが、端末からAPへの電波が届かないといった状況が発生するからだ。

 ヒートマップの作製には、米エカハウ(Ekahau)のWi-Fiツール「Ekahau」を利用した。そして、電波強度が-65dBm以上の電波が届く範囲を黄緑色で示した。

-65dBm以上の電波が届く範囲
-65dBm以上の電波が届く範囲
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 -65dBmは電波の届く範囲のしきい値としてよく使われる。ヒートマップはAPのアンテナ設計や出力で変化するが、Wi-Fi 6や802.11acといった無線LANの規格を切り替えても変化しない。

1024QAMの範囲は狭い

 -65dBmは通信するための電波強度としては十分だが、この電波強度では最大伝送速度を出すための条件を満たさない。

 Wi-Fi 6の最大伝送速度で通信するときに使う1024QAMや、802.11acの最大伝送速度で使う256QAMにはもっと強い電波が必要だ。今回使用したAPの仕様は40MHz幅および2ストリームの設定で、必要な電波強度が1024QAMでは-57dBm、256QAMでは-62dBmとなっている。

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