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 「PoE(Power over Ethernet)」はLANケーブルを使ってネットワーク機器に電力を供給する技術。LANケーブルだけでデータ通信と給電が可能で、ACアダプターや電源ケーブルが要らなくなる。無線LANアクセスポイントの高速化や4K対応ネットワークカメラの高精細化などに対応した新規格「IEEE 802.3bt」も登場した。PoEの仕組みや企業での導入・運用のポイントなどを徹底解説する。

ケーブルの抵抗で発熱

 PoEは基本的に通常のCat.5e以上のLANケーブルならそのまま使える。ただし、注意すべき点は発熱だ。データ信号だけをやりとりするのと異なり、電力を流すPoEでは心線の導体の抵抗により熱が発生する。

 影響を受けるのはイーサネットのデータ通信だ。温度が上昇することで電気抵抗が増す。これにより、データ信号が遠くまで届きにくくなる。イーサネットの規格では、銅線を使ったLANケーブルの最大伝送距離は100mと規定されている。だが、電気抵抗が増えると、そこまで信号が届かない可能性が出てくる。100m近くまで延ばしている構内配線でPoEを導入すると、データ通信ができなくなる恐れがある。

ケーブルを束ね過ぎると障害に

 特にLANケーブルを束ねた場合に発熱が問題になりやすい。

 LANケーブルメーカーの日本製線では、LANケーブルを束ねて、それぞれにIEEE 802.3btで供給できる最大電力である90Wを流して温度を測定する試験を実施した。

ケーブル温度上昇の検証の様子
ケーブル温度上昇の検証の様子
(画像提供:日本製線)
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 LANケーブルの心線の導体は、AWGと呼ばれる指標で直径が決められている。AWGの番号が大きくなるほど、導体の直径は短くなる。

LANケーブルの心線に使われる導体の仕様(主なものを記載)
LANケーブルの心線に使われる導体の仕様(主なものを記載)
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 実験で使用したのは、直径が約0.32mmのAWG 28、約0.4mmのAWG 26、約0.51mmのAWG 24の3種類。日本製線によると、企業向けのLANケーブルではAWG 28がよく使われるという。カテゴリーはCat.6とCat.6Aの2種類を使った。LANケーブルを束ねた本数(バンドル)は、24本と48本を用意した。

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