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 ところが、PoEの電力は直流のため導体のすべてに流れる。アルミニウムは銅よりも抵抗が大きいため、発熱も大きくなる。これによりデータ信号が届きにくくなり、通信に障害が生じる恐れがある。日本製線によると、あるユーザー企業でIP電話がつながらないという障害が発生し、調べてみたら内部がアルミニウムのLANケーブルが使われていたという。

 もしPoEの導入を前提にLANケーブルを敷設するなら、ケーブルメーカーに仕様を確認する必要があるだろう。

 もう1つ留意したいのが、コンシューマー向けのLANケーブルを使う場合だ。最近のコンシューマー向け製品は、柔らかくて取り回しがしやすい。これは直径が約0.25mmのAWG 30など、一般的な企業向け製品よりも細径の導体を使っているためだ。導体の直径が短いと抵抗が大きくなるため、発熱しやすく、通信に支障が生じる恐れがある。もしコンシューマー向けのLANケーブルを敷設していてPoEを導入する場合は、LANケーブルを入れ替える必要があるかもしれない。

接続時にアーク放電が発生

 PoE利用時にLANケーブルで気をつけたいのは、コネクターを抜き挿しするときだ。電力を供給しているときにLANケーブルをLANスイッチやネットワーク機器に抜き挿しすると、プラグとジャックの接点でアーク放電が発生し、メッキに腐食が発生する場合がある。これにより接触不良が生じ、通信に支障が出る可能性がある。ケーブルを流れる電流が大きくなると、損傷も大きくなる。802.3btを使う場合には特に注意が必要だ。

プラグとジャックの接触時に生じた損傷
プラグとジャックの接触時に生じた損傷
(画像提供:日本製線)
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 こうした事態を防ぐため、給電側のLANスイッチの電源を確実に落としてから、LANケーブルを抜き挿ししよう。