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生物的な「エコロジカルな単位」からスマートなエリアを考える

藤村 今日改めて確認できたのは、2019年から20年を1つのターゲットにしてきた都市整備が一通り終わり、その後に官民連携を前提とするエリマネという新たな1つの方向性が現れている。しかし、マネタイズや持続可能性などの課題も明らかになってきた。その課題は、おそらく情報技術によって、あるいは機械との融合によって解かれるはずだ、ということですね。

藤村龍至(ふじむら りゅうじ)氏
藤村龍至(ふじむら りゅうじ)氏
建築家、東京芸術大学美術学部建築科准教授、RFA主宰/1976年東京都生まれ。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。05年より藤村龍至建築設計事務所(現RFA)主宰。16年より東京芸術大学准教授。建築に「小高パイオニアビレッジ」(2018)、「すばる保育園」(同)、アーバンデザインに「おとがわプロジェクト」(2015~)、「大宮東口プロジェクト」(2013~)、「鶴ケ島プロジェクト」(2012~)、著書に「ちのかたち 建築的思考のプロトタイプとその応用」などがある(写真:澤田聖司)
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 印象的だったのは、どうやらそこに単位のようなものがあるらしいということです。東浦さんのおっしゃった「シティー・アズ・ア・サービス」的なものを実現し得るエリアとして、渋谷であれば半径2.5キロぐらいの空間サイズのグレーターシブヤが、都市のエコロジカルな単位になっている。

東浦 スマートシティの成立にグレーターシブヤぐらいの大きさが必要かどうかの検証は、まだされてはいませんけれどね。

藤村 はい。ただ、そういう単位を示して名乗りを上げていらっしゃるわけですよね。生物的に決まってくる単位、かつ都心を動かしていく単位として、半径2.5キロというのは現実的なところかなという気がします。

 副都心くらいのスケール感で、まとまりをどうやってつくり直していくのか。渋谷では東急さんが音頭を取っていますけれど、新宿はどうするか、池袋はどうするか。それぞれのやり方があるんだと思います。

 いずれにしろ人間が活動しているわけですから、エコロジカルな意味で適度な大きさが決まってくるところがあるんじゃないでしょうか。今後の東京が、また7大副都心ぐらいの大きさの「島」がある状態に戻っていく。それぐらいの単位によって、もう一度計画し直していけるのではないかと考えています。

※本座談会の全文は、現在発売中の「東京大改造マップ2020-20XX」に収録している。

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