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 東京・港区の海側にある浜松町~竹芝~芝浦の近接3地区で複数の大規模開発プロジェクトが動いている。東京駅、品川駅という2つの「ゲート」的なターミナルの間を補完する重要な核となる。

 先行して2020年5月に、「東京ポートシティ竹芝」(竹芝地区開発計画) の業務棟が完成する予定だ。東急不動産と鹿島の共同事業で、東京都が進める都市再生ステップアップ・プロジェクトの1つ。デジタルコンテンツ産業の集積を目指し、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科やCiP(Contents innovation Program)協議会が業務棟8階の一部を拠点として活動する。

東京ポートシティ竹芝の外観イメージ。都有地に高さ200m級の業務棟と100m級の住宅棟を建てる(資料:東急不動産)
東京ポートシティ竹芝の外観イメージ。都有地に高さ200m級の業務棟と100m級の住宅棟を建てる(資料:東急不動産)
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JR浜松町駅側から、建設中の東京ポートシティ竹芝(写真奥)を望む。20年2月撮影(写真:日経アーキテクチュア)
JR浜松町駅側から、建設中の東京ポートシティ竹芝(写真奥)を望む。20年2月撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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建設中の東京ポートシティ竹芝。20年2月撮影(写真:日経アーキテクチュア)
建設中の東京ポートシティ竹芝。20年2月撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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 東京ポートシティ竹芝の業務棟には、ソフトバンクが、港区内の汐留から本社ビルを移転させる。同ビルのスマート化に取り組むと同時に、東急不動産と共同で、竹芝地区のスマートシティー化を図る。活動としては、「デジタルエリアマネジメント」と呼ぶべきものが展開される見込みだ。なお竹芝地区では、地域関係者と行政関係者から成る「まちづくり協議会」、および事業運営会社として17年に設立された「竹芝エリアマネジメント」が両輪となり、公民協働による新しい形のエリアマネジメントを目指す体制が築かれている。

IoTによるリアルタイムのデータ収集・解析を駆使するスマートシティーのイメージ。環境の変化や歩行者の滞留などの「イベント」に応じ、最適な行動を促すアプリケーションプラットフォームを竹芝地区に導入する(資料:ソフトバンク)
IoTによるリアルタイムのデータ収集・解析を駆使するスマートシティーのイメージ。環境の変化や歩行者の滞留などの「イベント」に応じ、最適な行動を促すアプリケーションプラットフォームを竹芝地区に導入する(資料:ソフトバンク)
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IoTによるリアルタイム検知を用いる緊急時対応のイメージ。ビル内での映像解析やセンシングによって不審者や異常行動、設備の不具合などを検知すると、屋内位置情報システムを使って発生場所の近くいるスタッフに通知する。また、問題への対応に関する情報をスタッフ間で効率的に共有する(資料:ソフトバンク)
IoTによるリアルタイム検知を用いる緊急時対応のイメージ。ビル内での映像解析やセンシングによって不審者や異常行動、設備の不具合などを検知すると、屋内位置情報システムを使って発生場所の近くいるスタッフに通知する。また、問題への対応に関する情報をスタッフ間で効率的に共有する(資料:ソフトバンク)
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 ソフトバンクによると、独自のIoTプラットフォームを駆使するデータ活用の他、ロボティクスやモビリティー、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、5G(第5世代移動通信システム)、ドローンなどの幅広い領域の技術的な検証を進める。最先端技術を検証したい企業や団体から参画を募り、多様な事業者の知見を持ち寄ってスマートシティー構築を図る。また、IoTセンサーからのデータを取得するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を公開し、企業などによる地区データの活用を推進する方針だ。

 この動きには、17年にソフトバンクと業務提携してスマートビル開発に取り組む日建設計も関わる。日建設計は18年に設置したIoT推進室をデジタルソリューション室と改称し、20年1月に新設したデジタル推進グループの下にDDL(Digital Design Lab.)など関連部署と共に統合。デジタル技術の関わるビジネスの展開を強化する構えを見せる。

 東急不動産の側も「エリアを巻き込んでスマート化していきたい」(都市事業ユニット都市事業本部ビル事業部事業企画グループの田中敦典グループリーダー)と意気込む。

東京ポートシティ竹芝の立地と、エリア横断的な断面イメージ(資料:東急不動産)
東京ポートシティ竹芝の立地と、エリア横断的な断面イメージ(資料:東急不動産)
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竹芝地区におけるMaaS実証実験のイメージ。地区内の勤務者向けのモビリティーのオンデマンドサービス、JR浜松町駅と竹芝地区の間を結ぶモビリティーサービスと鉄道や舟運を連携させるマルチモーダルなどの可能性を探る(資料:MONET Technologies 他)
竹芝地区におけるMaaS実証実験のイメージ。地区内の勤務者向けのモビリティーのオンデマンドサービス、JR浜松町駅と竹芝地区の間を結ぶモビリティーサービスと鉄道や舟運を連携させるマルチモーダルなどの可能性を探る(資料:MONET Technologies 他)
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 具体的には、竹芝地区では既に、東急不動産の他、ソフトバンクとトヨタ自動車が共同出資するMONET Technologies、前出の竹芝エリアマネジメント、鹿島、電通、東海汽船、JR東日本の7社共同でMaaSの実証実験に取り組んだ(東京都「MaaSの社会実装モデル構築に向けた実証実験」)。さらに今後、周辺の飲食店などの情報を来街者に配信する仕組みなども検討していくという。「プッシュ通知でナイトタイムエコノミーの盛り上げなどにつなげたい」(田中氏)

「東京ポートシティ竹芝」概要

  • 所在地 東京都港区海岸1-20-9 他
  • 事業者 アルベログランデ(東急不動産と鹿島が設立した事業会社)
  • 設計者 業務棟:鹿島・久米設計JV、住宅棟:長谷工コーポレーション、ホシノアーキテクツ(デザイン監修)
  • 施工者 業務棟:鹿島、住宅棟:鹿島・長谷工コーポレーションJV
  • 着工年月 業務棟:2016年5月、住宅棟:同6月
  • 竣工年月 2020年6月
  • 構造 業務棟:S造、一部SRC造・RC造 住宅棟:RC造
  • 階数 業務棟:地下2階・地上40階 住宅棟:地上18階
  • 延べ面積 約20万1159m2

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