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山岳トンネルの地山に吹き付けるコンクリートで、従来の2倍以上を誇る強度を実現した大成建設。強度は「世界最高級」だ。地山の悪いトンネルにさっと吹くだけで、大層な補強工事は不要になる。高強度のために粉体を増やせば粘性が高まり、吹き付けられなくなる中、大成建設はどうやって実現にこぎつけたか。

 コンクリートの高強度化は、様々な企業が長年探求し続ける研究テーマの1つ。大成建設とBASFジャパンは、高強度コンクリートの中でもこれまでとは違った「吹き付けコンクリート」という新しいジャンルで高強度化に成功した。山岳トンネルの地山の悪い箇所に、開発したコンクリートを吹き付ければ、2重支保などの対策が不要になる(写真1)。

写真1■ 模擬トンネルで、世界最高級の強度を持つ吹き付けコンクリートの施工性を検証している様子(写真:大成建設)
写真1■ 模擬トンネルで、世界最高級の強度を持つ吹き付けコンクリートの施工性を検証している様子(写真:大成建設)
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 「吹き付けコンクリートとしては世界最高級の強度」と胸を張るのは、大成建設技術センター生産技術開発部の武者浩透都市再生技術開発室長だ。実強度は1mm2当たり100Nだが、設計基準強度は余裕を見込んで同72Nに設定している。従来の高強度の吹き付けコンクリートと比べて、2倍以上の強度が出る。厚吹きしても剥がれない優れた付着性を持つ(写真2)。

写真2■ 1カ所に吹き付け続けたところ、最大で65cmほどの厚吹きでも付着していた(写真:大成建設)
写真2■ 1カ所に吹き付け続けたところ、最大で65cmほどの厚吹きでも付着していた(写真:大成建設)
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 建築などでよく使う一般的な高強度コンクリートは、粉体を増やして水セメント比を小さくする。粘性が高く、水あめみたいな形状になるので、吹き付けには使えない。

 そこで、流動性を保ちつつ低い粘性で吹き付けられるように、配合などを変えた専用結合材(HPSプレミックス粉体)を開発した。ワーカビリティーはスランプフローで管理する(写真3)。150分程度まで流動性を保持できるため、運搬・作業時間の確保も十分だ。

写真3■ 800±50mmのスランプフローで管理。従来はスランプでの管理が普通だった(写真:大成建設)
写真3■ 800±50mmのスランプフローで管理。従来はスランプでの管理が普通だった(写真:大成建設)
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