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超高強度吹き付けの販売も視野に

 ノズルの先で混ぜる急結剤には、粉体ではなく液体を採用。吹き付けると瞬時に固まって、強度を発現する。液体急結剤は、粉じん濃度を大幅に抑える効果もある。切り羽から10mの位置での粉じん濃度は、粉体急結剤を使用する場合と比べて、3分の1程度に低減(図1)。良好な環境での作業を可能にした。

図1■ 粉じん濃度は従来の高強度コンクリートの3分の1
項目 超高強度(HPSプレミックス粉体) 従来の吹き付けコンクリート(粉体急結剤を使用)
普通強度 高強度
設計基準強度(N/mm2 72(実強度100) 18 36
粉じん濃度(mg/m3 1.64 5.16
粉じん濃度は切り羽から10mの位置での測定結果(資料:大成建設)

 「練り混ぜや吹き付けには既存のプラントやミキサー、吹き付け機を使える」(大成建設技術センター都市再生技術開発室UFCチームの川口哲生課長)点もメリットの1つだ。

 地山条件が厳しい断面に設置する「2重支保」は、通常の支保だけでは変形を防げないために講じる対策だ。内空断面が小さくなるので、再度大きく掘り直す必要があり、作業効率の低下につながっていた。

 開発した高強度な材料であれば、1回吹き付けるだけで2重支保が不要になり、工期を短縮できる。

 「まずは山岳トンネルで普及を目指す。駆体の補強・補修などへの適用も視野に入れたい」。大成建設の武者室長は、こう意気込む。開発した吹き付けコンクリートは、他社から引き合いがあれば販売する方針だ。

出典:日経コンストラクション、2020年1月27日号 特集「鉄とコンクリートを超えろ」の記事を再編集
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。