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 ホンダが2020年2月14日に発売する新型の小型車「フィット」は、ボディー骨格への超高張力鋼板の使用を増やして衝突安全性能を強化した。引っ張り強さが980MPa級以上の高張力鋼板の使用比率(質量比)を、先代車の10%から18%に増やした(図1)。

フィット
図1 新型「フィット」
(撮影:日経Automotive)
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 先代車のボディー骨格では、側方衝突時に乗員室を変形させないため、センターピラーに1.5GPa級のホットスタンプ(熱間プレス材)を、サイドシルに980MPa級の冷間プレス材を使っていた。前方衝突に対応するため、フロントピラーも980MPa級だった。使用比率は1.5GPal級が2%、980MPa級が8%である(図2)。

先代車のボディー骨格
図2 先代車のボディー骨格
(出所:ホンダ)
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 新型車のボディーではセンターピラーに加えて、サイドシルにも1.5GPa級のホットスタンプを使った。また、フロントピラーに加えて、ルーフサイドレール(以下、ルーフレール)などにも980MPa級を適用した。使用比率は1.5GPa級が5%、980MPa級が13%である。先代車のルーフレールは590MPa級を使っていた。

 センターピラーやルーフレールの内部部材には、成形性に優れた高λ(ラムダ)型の980MPa級の高張力鋼板を使った。先代車では成形性を重視して、590MPa級を適用していた。

 センターピラーの付け根に高強度の鋼板を使うと、側方衝突の衝撃で付け根部分が折れる恐れがある。そのため先代車では、付け根には比較的強度が低い590MP級の高張力鋼板を使い、1.5GPa級のセンターピラー本体と接合していた。

 これに対して新型車では、センターピラーの付け根に780MPa級の高張力鋼板を適用した。付け根の強度を上げることで、側方衝突時の安全性を高めた。新型車のボディー設計担当者は、「世界の衝突安全基準が厳しくなっているため、付け根部分に780MPa級を適用した。また、付け根部分の設計を見直して、780MPa級を適用しても折れないようにした」と話す(図3)。

新型車のボディー骨格
図3 新型車のボディー骨格
(出所:ホンダ)
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