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 オリンピックやパラリンピックの情報を知りたいと思う際に、誰もがまずアクセスするWebサイト。このオリンピック・パラリンピック関連のWebサイトを支えているのが、中国のアリババグループのクラウドサービス「Alibaba Cloud」だ。Webサイトのホスティングだけでなく、関連するライブストリーミングなどを支えるクラウドサービスもアリババが提供している。

 「当社が蓄積した様々な経験と技術で、スマートなオリンピックを支援していきたい」。アリババクラウドジャパンでカントリーマネジャーを務めるユニーク・ソン氏はこう強調する。特に同社が強みとして持つのが、中国で「独身の日(11月11日)」に実施するセールを支えるために開発されたクラウドサービスだ。

 2019年の独身の日の場合、最大で1秒間に54万4000件のトランザクションが発生した。最短68秒間で10億ドルの取引を処理し、取引総額は24時間で384億ドルに達した。Webサイトを通じて商品を購入するこれまでのEC(電子商取引)に加えて中国では今、動画の生中継を利用したECのライブコマースも増えている。独身の日におけるライブコマース「タオバオライブ」の売り上げも28億ドルあったという。

独自インフラとDBで大量トランザクションをさばく

 「オリンピックのWebサイトや動画配信サービスは全世界に利用者がいる。グローバルからの要求を遅延なく処理し、またセキュリティーを担保するため仕組みが必要になる。こうした観点から東京オリンピック・パラリンピックの支援に向けた技術開発を強化している」とソン氏は説明する。

アリババグリープのオリンピックへの取り組みを紹介するWebサイト
アリババグリープのオリンピックへの取り組みを紹介するWebサイト
(出所:アリババクラウド)
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 現在アリババクラウドは世界で19のリージョン(広域データセンター群)を持つ。日本には東京リージョンがあり、東京リージョンは2つのアベイラビリティーゾーンで構成している。このほか中国以外に米国、英国、ドイツなどにリージョンを展開するほか「現在は特に中国以外のアジアで積極的に進出している」(ソン氏)状況だ。

 アリババクラウドが2019年に発表し、2020年に向けて開発したのが「第3世代X-Dragon」と呼ぶアーキテクチャーだ。仮想マシンに加えてベアメタルのインフラも統合して提供することが特徴のアーキテクチャーである。アリババクラウドはデータ処理の能力を高めることとともに、AI(人工知能)基盤としての提供を目指す。

 また大量データの処理を目指しデータベース(DB)の自社開発にも注力する。自社開発のマネージド型のクラウドDB「ApsaraDB for PolarDB」を中核に据える。独身の日の実績で実力を示した高速なトランザクション処理と、100テラバイト(TB)以上の大容量データを扱えることが売り文句だ。

クラウドで日本文化の発信も支援

 もう1つアリババクラウドが東京オリンピック・パラリンピックに向けて注力するのはライブストリーミングの配信技術だ。アリババクラウドの「ApsaraVideo Live」を利用する。ApsaraVideo Liveはグローバルで1000台以上のライブビデオノードを持つことで「遅延なく動画を配信できる技術が強み」(ソン氏)だ。