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 リモートワーク(在宅勤務)を導入する企業が増え、エンジニアが働く場所の選択肢はどんどん広がっています。どこで働くのかは勤める会社の都合だけでなく、自身で選べる時代になりつつあるのです。住居を移さずに遠隔地の企業で働くことも可能になっています。

 今回は、自分が働く場所を探すための視点を得るヒントとして、特許の出願数に着目します。各都道府県の技術動向は、特許の出願傾向から把握できます。

 例えば青森県は「電気通信技術」分野、群馬県は「スポーツ・ゲーム」分野の特許出願数が多いのですが、それぞれの土地で当該技術の研究開発が盛んであることを示しています。自分の持つ経験や技術がどの地域で生かせるのか、それを探る手がかりの1つが特許なのです。もしかしたら、自分の技術を生かせる企業が思いもよらぬ土地にあるかもしれません。

 ここでは、先端技術開発に積極的な例として、福島、兵庫、島根の3県を取り上げます。それぞれの県で2000年以降に出願された特許を分析し、出願が多い技術領域と企業のトップ5をまとめました。順に見ていきましょう。

工作機械系の技術に強い福島県

 最初は福島県です。福島県は、技術領域別のトップである「工作機械」(732件)の技術開発の強さが際立ちます。

福島県の特許出願 技術領域別トップ5
順位IPC(国際特許分類)分類技術名出願件数
1位B23工作機械732件
2位H01基本的電気・素子394件
3位G01測定・試験244件
4位A61獣医学・衛生学235件
5位G06計算・計数228件
技術分類はIPC(国際特許分類)に基づく。以下同(出所:アスタミューゼ、以下同)

 福島の特許出願をけん引するのはタンガロイ。ダイヤモンドに匹敵する超硬合金を活用した切削工具や耐摩耗工具を製造するメーカーです。切削工具技術で世界をリードする企業グループIMC(International Metalworking Companies B.V.)の一員になるほどの技術力を誇ります。

福島県の特許出願 企業別トップ5
順位企業名出願件数
1位タンガロイ745件
2位東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー157件
3位NECネットワークプロダクツ139件
4位北芝電機107件
5位ムネカタ102件

 福島県は、先端テクノロジーを活用した製品開発や事業支援に積極的であることも特徴的です。「福島再生可能エネルギー研究所」「ふくしま医療機器開発支援センター」「会津大学産学イノベーションセンター」などの組織を通じて、産官学共同で先端技術領域の技術開発に力を入れています。