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求人大幅増の「医療・健康」、異業種からの流入も活発に

 「医療・健康」領域では、4月に入って求人募集数が大きく伸びています。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、医療研究機関だけでなく、健康食品メーカーなどからの募集数も大幅に増えたことが要因です。また、自分の持つスキルを役立てたいと医療研究機関への転職を目指し、転職サイトに登録する転職希望者が増えています。

「医療・健康」領域の求人募集数・転職希望者数の推移
「医療・健康」領域の求人募集数・転職希望者数の推移
求人募集数(青い棒グラフ、右側の数字)と転職希望者数(オレンジの折れ線グラフ、左側の数字)の推移。単位はいずれも「人」。白い折れ線グラフは日経平均株価の推移を表す参考値(出所:アスタミューゼ)
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 もう少し詳しく見てみましょう。「医療・健康」領域における求人募集数の伸び率が特に高かった分野トップ10は以下の通りです。

「医療・健康」領域の求人募集数 伸び率トップ10(20年2月と同4月の比較)
  • 腸内フローラ・腸脳相関(200%)
  • MR(175%)
  • ワクチン開発・自然免疫制御(133%)
  • 医療統計解析(133%)
  • 医療レーザー(120%)
  • 計算化学・計算生物(113%)
  • 医療用画像処理(115%)
  • 心臓循環器系医療(110%)
  • メディカルデータマネジメント(104%)
  • 生体情報モニター(103%)

 例えば「腸内フローラ・腸脳相関(200%)」については健康食品などを開発する大手メーカーが募集する「腸内細菌研究」「乳酸菌・腸内細菌の基礎研究」向けの職種が、「医療統計解析(133%)」では遺伝子バイオベンチャーにおける「医療解析スペシャリスト」などの職種が該当し、いずれも募集が増加しています。さらにバイオ医薬品メーカーでは、再生医療分野製品における「品質保証管理」の人材が幅広く求められています。

 転職希望者の登録数の伸び率が高かった分野も見てみましょう。

「医療・健康」領域の転職希望者登録数 伸び率トップ10(20年2月と同4月の比較)
  • 細胞培養・バイオリアクタ・CPC(500%)
  • 分析機器・理化学機器(400%)
  • 感染予防薬・感染予防用品(400%)
  • 計算化学・計算生物(300%)
  • インシリコ/スパコン創薬・バイオインフォマティクス(200%)
  • 3Dプリンター医学応用(200%)
  • GVP・GPSP(200%)
  • ワクチン開発・自然免疫制御(133%)
  • 発生工学・再生医療(117%)
  • スポーツ医学・ロコモーティブ症候群(117%)

 エンジニア向けの職種として注目したいのは、20年2月対比で300%増となった「計算化学・計算生物」分野です。これは転職希望者の登録数の増加率ですが、こうした「データサイエンス」のスキルを必要とする職種は、ここ数年で企業側からのニーズも高まっています。DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業が増えたため、データサイエンティストの募集が伸びているのです。

 一見して異分野のようですが、実際にはデータサイエンスのスキルを持った専門人材が「医療・健康」領域で必要とされているというのは、チェックしておくべきでしょう。異分野の人材の活用によって自社のイノベーションを加速させる、戦略的な採用だといえます。