全3337文字
PR

モビリティー、エレクトロニクス領域で求人が減った分野は?

 「モビリティー」「エレクトロニクス」領域については3月時点ではさほど変化がありませんでしたが、緊急事態宣言が出た4月以降は求人募集数が大きく減少しました。

「モビリティー」領域の求人募集数・転職希望者数の推移
「モビリティー」領域の求人募集数・転職希望者数の推移
求人募集数(青い棒グラフ、右側の数字)と転職希望者数(オレンジの折れ線グラフ、左側の数字)の推移。単位はいずれも「人」。白い折れ線グラフは日経平均株価の推移を表す参考値(出所:アスタミューゼ)
[画像のクリックで拡大表示]

「エレクトロニクス」領域の求人募集数・転職希望者数の推移
「エレクトロニクス」領域の求人募集数・転職希望者数の推移
求人募集数(青い棒グラフ、右側の数字)と転職希望者数(オレンジの折れ線グラフ、左側の数字)の推移。単位はいずれも「人」。白い折れ線グラフは日経平均株価の推移を表す参考値(出所:アスタミューゼ)
[画像のクリックで拡大表示]

 特に減少が顕著だったのは、現時点で研究開発フェーズにあり、それなりに投資が必要な分野です。例えば「モビリティー」領域では「超小型・パーソナルモビリティー(75%)」や「モビリティーインターフェース(81%)」、「エレクトロニクス」領域では「手術ロボット・手術支援システム(50%)」や「画像診断・生体イメージング(75%)」が大きく求人数を減らしました。

 なお、この2つの領域でも研究開発フェーズを過ぎ、既に事業開発フェーズへ移行している分野の中には求人募集数が増えているものもあります。

「モビリティー」「エレクトロニクス」領域の求人募集数 伸び率トップ10(20年2月と同4月の比較)
  • 熱電変換素子(144%)
  • 電気自動車給電システム(127%)
  • 交通事故防止システム(115%)
  • 流体解析(113%)
  • 次世代交通システム(113%)
  • 人工筋肉・ソフトアクチュエーター(111%)
  • レーザー(110%)
  • 表面処理(110%)
  • 回路設計(109%)
  • 熱処理・熱解析(108%)

 例えば「熱電変換素子」分野の求人では、風力発電所の施設管理エンジニアや太陽光発電設備の施工管理、産業用非接触給電システムの電気設計業務など、インフラ関連の募集が増加傾向にあります。景気の影響をダイレクトに受けにくい事業分野であることも、募集の伸びにつながっているといえそうです。

 転職希望者登録数の伸び率トップ10も見てみましょう。

「モビリティー」「エレクトロニクス」領域の転職希望者登録数 伸び率トップ10(20年2月と同4月の比較)
  • 回路設計(209%)
  • 計測機器(200%)
  • レーザー技術(200%)
  • デジタルIC設計(200%)
  • 半導体(150%)
  • 機械設計(129%)
  • 電気制御・機械制御(123%)
  • ファクトリーオートメーション・産業ロボット(120%)
  • 駆動・可動機構(117%)
  • パワー半導体(114%)

 「回路設計(209%)」を筆頭にものづくり系エンジニア職の流動率が高まっていることがうかがえます。景気回復が見込めるまで採用を縮小している企業は多いと思いますが、採用活動自体はやめないことをお勧めします。特に中小ベンチャーや地方企業にとって、今は良い人材を得るチャンスです。リモートワークが注目され、働く場所を選ばない仕事が増えてきた中で、立地や企業規模にとらわれず仕事を選ぶ転職希望者も多くなると見込まれるためです。

 一般に、専門職のエンジニアが転職するまでに要する時間は3カ月から6カ月です。多くの人材が流動しているからこそ、企業は積極的に自社をPRし、求職者は将来を見据えて業界や企業規模にとらわれない仕事選びをすべきでしょう。

嶋崎 真太郎
アスタミューゼ 執行役員 事業推進本部 本部長
リクルートで企画営業に従事。数々の営業表彰を受賞し全国トップ11の営業にも選ばれる。その後、Web系ベンチャー・人材系ベンチャーの役員として、事業企画、営業企画、人事・採用企画を経験。2017年にアスタミューゼに参画し、技術職・専門職の転職支援サービス「転職ナビ」、“実現したい未来”でつながるスカウトサービス「SCOPE」を運営。SCOPEを活用した地域創生事業も展開中。