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 先日、人材派遣大手のパソナグループが淡路島に本社機能を移転するというニュースがありました。そろそろ2020年も4分の3が終わろうとしていますが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、リモートワークやWeb会議などを取り入れた個人の働き方の変化に注目が集まりました。この先は、パソナグループの例のように会社自体の在り方まで変わっていきそうです。

 今回は筆者が所属するアスタミューゼが運営している転職・採用支援サービス「アスタミューゼ転職ナビ」「SCOPE(スコープ)」の登録ユーザーを対象に実施したアンケートを基に、リモートワークの現状について見ていきます。この2種類のサービスは技術職・研究職といった専門分野の人材向けの転職・採用を支援しているので、アンケート結果は日経クロステックの読者にも参考になるでしょう。

アンケート回答者の職種一覧
アンケート回答者の職種一覧
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期間が長引くにつれ、リモートワークへの満足度が変化

 今回のアンケートは、2020年6月30日、同8月31日の2回にわたって実施しました(回答者数は6月が1198人、8月が1064人)。2回分を比較すると、時間の経過と共に回答者がリモートワークに抱く感想がだんだん変化していることがうかがえます。

 「リモートワークへの満足度を教えてください」という質問に対しては、6月時点では回答者のうち47%が「大変満足」と答えています。「やや満足」は31%、「どちらとも言えない」は18%、「やや不満」は3%、「不満」は1%でした。20年4月に緊急事態宣言が出てから2カ月程度の間は、リモートワークへの切り替えは社員に大変好評だったといえます(下図)。

2020年6月から8月にかけての、リモートワークへの満足度の変化
2020年6月から8月にかけての、リモートワークへの満足度の変化
(グラフはアスタミューゼが実施したアンケートを基に作成)
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 ところが、8月のアンケートでは「大変満足」と答えたのは回答者の25%にまで低下しています。「やや満足」は29%、「どちらとも言えない」は32%、「やや不満」は9%、「不満」は4%でした。特に「どちらとも言えない」は6月に比べて14%も増加しており、次第にリモートワークへの評価に迷いが出てきた回答者が多いのが分かります。

 当初は、単純に「自社はリモートワークをするかしないか」「できたので満足だ」という判断だった回答者が、リモートワークが長期化・常態化するにつれて「リモートワークそのものの質」を問うように変化してきたと推測できます。