パソコンを買い替えて古いパソコンが不要になると、処分する必要がある。比較的スペックが高い機種ならネットオークションなどで売れる可能性もあるが、スペックが低かったり壊れていたりすると売れる可能性は低い。処分するのが妥当だ。
しかしパソコンは家庭ごみのようにごみ収集場に出すことはできず、定められた方法で処分しなくてはならない。そこで今回は、パソコンを正しく処分する方法を説明する。
データ消去を徹底する
最初に、パソコンのHDDやSSD内のデータを消去する方法を紹介する。処分する前にデータを抹消しておく必要があるためだ。
信頼できてデータ消去も実施すると説明している業者に依頼すれば、処分するパソコンからデータが流出する可能性を低くできるが、その可能性をゼロにはできない。2019年、神奈川県庁がリース契約満了に伴って返却したサーバーのHDDが、リース業者がデータ消去を委託した業者の社員によって、データが復元可能状態でオークションに出品されるという事件が起こっている。HDDのリース業者も、データ消去を委託された業者もセキュリティー対策を徹底していることを証明する「ISO27001(ISMS認証)」を取得していた。
データ流出の可能性をゼロに近づけたいなら、ストレージにあるデータを自ら抹消するとよい。再セットアップメディアを使ってパソコンを初期状態に戻しただけでは不十分だ。ファイルが削除されたように見えても、知識があるユーザーの手に渡れば、データを復元することができてしまう。適切な方法を使って抹消することが求められる。
メーカー提供のデータ抹消ツールを利用
メーカー製パソコンの中には、データを完全に抹消するツールが付属するものがある。操作方法はパソコンによって異なるので、説明書やWebサイトなどで確認しよう。OSの起動ドライブ(Cドライブ)のデータは抹消できないので、起動ドライブのデータを抹消するには再セットアップメディアなどの外部メディアを使ってパソコンを起動するといった作業が必要になる。