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 今、働き方改革として、効率的な働き方を求められています。皆さんも業務の「ムダ」を見つけて効率化に取り組んでいることでしょう。しかし、そのムダの見つけ方は本当に正しいでしょうか。

 私が関わっている企業では、ムダを感覚だけで抽出してしまっているケースが目に付きます。感覚的な抽出の仕方では、ある人にとってはムダではないことを、ある人は「ムダだ」と判断してしまい、それを削減した結果、逆に効率が悪化してしまう可能性もあるのです。ムダはきちんと理論に基づいて見つけなければなりません。

 トヨタ自動車で設計者として働いていた時、「ムダを見つけるためには、ムラを探し、ムリをしている業務内容を見つけなさい」と言われてきました。

 この内容をもう少し分かりやすく説明すると、「ムラがあるから、ムリをして、ムダが発生する」。つまり、ムダを削減するためには、問題の真因(本当の原因)である「ムラ」を探さなければならないということです。この考え方を模式図と設計者に当てはめて考えてみましょう。

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 真横に伸びる線を定時の帰宅としましょう。設計案件の難易度や量によって、日々の業務時間が変動します。この変動を「ムラ」と捉えます。このムラが発生しているときの設計者の心の中はどのようになっているでしょうか。

 「今日は明日の試験に間に合わせるために、残業しなきゃなー。でも、月の残業時間の上限を超えそうだし……。よし、できるだけ早く終わらせよう」などと考えるでしょう。すると、本来は2時間程度かかる試験内容の計画や評価項目の選定などを、過去の試験結果を参考にして1時間程度で終わらせて、早く帰宅する。その結果、試験の選定基準を間違えてしまい、試験をやり直す羽目に陥ってしまう──。

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