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 前回のおさらいも含めて、設計業務に関する正しい「技術伝承」の方法を解説していきます。まずは前回のコラムのポイントをおさらいをしましょう。

 技術伝承の正しい方法は、誰でも使いたいときにコア技術を正しく使えるようになることです。そのためには、コア技術を体系的に、かつ詳細内容まで正しくドキュメントに記載しなければなりません。ドキュメントに正しく記載する方法は次のようになります。

[1]製品機能を明確にする

 まずは製品に織り込まれている「機能」を明確にします。設計では機能を「機能⇒方式⇒仕様」と順に創造していき、最終的には図面やBOM(部品表)に落とし込みます。ところが、現在では図面やBOMを確認しただけで、市場から要求される機能や設計者が考えた機能を全て理解することは非常に難しくなっています。従って、まずは製品に必要な機能が何かから伝えなければなりません。

[2]技術基準を設定する

 ただし、機能を明確しても終わりではありません。機能を具体的にどのような手段で構造化やシステム化したのかまで分解しなければなりません。加えて、その技術的内容をどのように使うのかを明確にする必要があります。この技術基準をどう設定するかがポイントです。例えば、エンジン関係の部品であれば、次のように考えているケースがあります。

重要部品関係に対する技術基準の考え方の例
重要部品関係に対する技術基準の考え方の例
(出所:A&Mコンサルト)
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 実現しようとしている部品にこの考え方を当てはめると、クリアランスを「○~△mm」に収めることとなり、以降はこれを基に新たな部品を設計していくことになります。問題は、この技術基準が設計者によって異なることです。それでは同じ品質の部品を設計できないばかりか、設計者によって品質が変わってしまいかねません。これを避けるために、技術基準を作成する必要があるのです。