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 「教育します」「チェックシートで確認します」「2重チェックします」……。品質不具合やクレームが発生したとき、企業が掲げる再発防止策は大体こんな感じです。しかし、これらは再発防止策ではありません。少なくともトヨタ自動車は再発防止策とは見なしません。即、却下されることでしょう。

 品質不具合が起きると原因を追究し、真因(問題を引き起こす本当の原因)を突き止めて暫定対策や恒久対策、再発防止策などを考えた後、品質不具合対策書のような報告資料を作成する。そこに先の教育やチェックの強化を書き込み、再発防止策ができたと考えて満足してしまう──。これが日本企業でよくあるパターンです。

 これが再発防止策にならないというのは、せっかく手に入れた品質不具合の情報を「死んだ情報」にしてしまっているからです。情報は「生きた情報」にしなければなりません。

 では、生きた情報にするためには何をしたらよいでしょうか。品質不具合対策書をしっかりと記載できるように教育すればよいのでしょうか。答えは「No」です。その教育を否定しているわけではありません。品質を暫定的に対策するには必要な条件の1つです。「真因を追求し、即時に打てる対策を考えて、顧客に迷惑を掛ける時間をできる限り短くする」という考え方は間違っていません。しかし、この考えばかりにとらわれていると、モグラ叩(たた)きのようになってしまい、現場が疲弊していきます。

再発防止策を織り込んだ、設計に必要な3つの仕掛け
再発防止策を織り込んだ、設計に必要な3つの仕掛け
(作製:日経クロステック)
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