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 開発部門と設計部門において、それぞれの役割と責任、移行のタイミングなどに悩んでいませんか。両機能組織部門の境目を設定するのは非常に難しいため、「いつまでたっても開発部門から設計部門に業務を移管できない」、「設計部門がいつまでたっても案件に着手できない」といった問題が発生しているという話をよく耳にします。製造業にとって、これは切っても切れない問題であり、開発者と設計者が業務の進め方や連携について悩んでいるのです。

 この問題を解決するためには、各企業で移管における明確な基準を設定することが必要であり、その基準は製品群やユニットによって異なります。また、その基準や移管業務の全体をコントロール(マネジメント)しなければなりません。

 では、まず開発部門と設計部門の役割と責任から考えていきましょう。

[1]開発部門と設計部門の役割と責任

開発部門の役割と責任

 要素技術を具現化し、さらにその技術特性を評価して、製品化への組み込みを開発すること。目標とする機能や性能の実現を可能にする(ただし、ある特定の条件下のみ)。

 このように、開発(先行開発と呼ぶ場合もあります)部門は、要素技術を製品へ落とし込み、目標とする機能や性能を確実に実現していきます。ただし、この場合に注意しなければならないのは、開発部門は市場で使われる全ての条件下で機能や性能の実現を確認できるわけではないということです。

 全ての条件下での成立を検討すると開発のリードタイムはどんどん伸びていきます。開発部門の技術者の多くは、詳細な使用環境などを調査できているわけではありません。この部分がポイントです。

 従って、開発部門が目標とする機能や性能を成立させる条件をどこまでとするのかを設定しておかなければなりません。この条件出しを明確にせずに開発をスタートしてしまうと、いざ設計部門(量産設計部門と呼ぶ場合もあります)に移管しようとするときに、大きな反発が生じてしまいます。

 設計部門はリードタイムを考慮すると、できる限りリスクが小さい状態で移管したいのです。そのため、少しでもリスクがあると、「こんな状態では量産が成立しない」と声を上げます。そうした状態のままでは、いつまでたっても設計内容を移管することができず、開発の担当者は手離れが非常に悪くなり、量産設計部分まで検討しなければならなくなります。

 開発スタートのタイミングで、目標とする機能や性能がどのような条件で成立すれば設計部門に移管してよいかを明確に決めましょう。

 続いて、設計部門の役割と責任を考えていきましょう。