全2430文字
PR

 前回のコラムの続きです。設計において問題が発生した場合、まずは現状分析をしながら要因解析(なぜなぜ分析)を実施する必要があります。この要因解析を実施した後、要因と真因(本当の原因であり、仕事の仕方やプロセスの問題に対する原因)について対策を立案します。

 今回は、この対策立案に関する考え方を紹介しましょう。設計者が講じるべき対策には3つあります。[1]暫定対策、[2]恒久対策、[3]再発防止策──です。

問題発生時に設計者が講じるべき3つの対策
問題発生時に設計者が講じるべき3つの対策
(出所:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

[1]暫定対策

 [1]の暫定対策は、要因解析の中で「要因」に関する対策です。要因については恒久対策を検討しなければなりませんが、その前に問題の影響を極力抑えるべく、恒久対策までのつなぎとしての対策を講じるのです。暫定対策としては、その場で解決できる方法や短期間で対応できる方法を検討します。

 例えば、図面に間違いがあったとします。それにより、試作品が設計者の思うような形状ではなかった場合に、手作業で加工して修正するといったものが暫定対策に相当します。こうして試作の評価を進めるための処置を施すのです。

[2]恒久対策

 [2]の恒久対策は、暫定対策を実施した後、その開発テーマで同じ問題が2度と起きないようにするための対策です。これは、手掛けている開発や設計で同じ問題が起こらないようにするための対策で、先の例であれば「設計図面を修正すること」が恒久対策に相当します。同じ試作品を生産するときに図面を修正していないと、同じ間違いを繰り返す可能性が高まります。それを避けるために、必ず図面を修正して、次に図面を使用するときに備えておくのです。

 このように、1度出図した図面で間違いが発生した場合は図面を修正しなければならないのですが、実際にはそれがなかなかできていません。例えば、量産段階で問題が発生した場合、本来は問題の図面を修正・出図して量産工程の部品修正を実施しなければなりません。そうしないと、図面修正を行っている間も生産は続いているため、不具合のある部品を含んだ製品を出荷してしまうことになります。

 しかし、生産側は出図まで待つことができません。そのため、一旦、設計部門に依頼した内容通りに生産側で加工・修正を行った対策品で生産を継続します。その間に正しい図面を出図しなければなりませんが、出図を忘れていた場合はどうなるでしょうか。

 修正された図面が出図されなくても、生産側が対策品で生産を続けているので問題は起きません。ところが、この製品の図面を流用・転用したときに問題が再発します。その理由はもちろん、図面が修正されていないからです。そのときは生産側から「また同じ問題を繰り返しているぞ。なぜ図面を修正しなかったのか」と叱られることでしょう。

 恒久対策では、流用・転用するときのことも考えて確実に実行しなければなりません。この対策を行う際はしっかりとマネジメントし、図面の修正を実施したかどうかまで管理する必要があります。