
(画像:PIXTA)
情報の改ざんや漏洩を防ぐ暗号技術に新たな脅威が浮上した。量子コンピューターの開発加速だ。
計算能力が上がれば、短時間で暗号を解読できてしまう恐れがある。一方で、近い将来に暗号を解読できるとの主張には懐疑的な見方もある。
量子コンピューターは現在の暗号を無力にするのか。その真偽と対策方法に迫った。
情報の改ざんや漏洩を防ぐ暗号技術に新たな脅威が浮上した。量子コンピューターの開発加速だ。
計算能力が上がれば、短時間で暗号を解読できてしまう恐れがある。一方で、近い将来に暗号を解読できるとの主張には懐疑的な見方もある。
量子コンピューターは現在の暗号を無力にするのか。その真偽と対策方法に迫った。
時期の見方が分かれるものの、量子コンピューターの開発競争が激しくなる中で、RSA暗号や楕円曲線暗号を使い続けるリスクを検証すべき時期は確実に迫っている。既存の方式に代わる暗号技術の研究や検討も進んでいる。
これまで暗号技術はスーパーコンピューター(スパコン)の性能を基準に解読のリスクを評価し、強度を決めてきた。SSL/TLS通信や電子証明書などで広く使われている2048ビットのRSA暗号は、現在の最高性能のスパコンを使っても解読に1億年以上かかると試算されている。量子コンピューターの開発が進めば、現…