データモデリングや業務分析など、企業情報システムを設計、開発、運用するために不可欠なノウハウがあり、これらはいつの時代にも普遍である。そうしたノウハウを持つプロが参加するNPO(非営利団体)、『IT勉強宴会』の面々がデータモデリング、業務設計、エンタープライズアーキテクチャー、データハブ、システム企画、工場の業務管理、システム導入方法論などの勘所を解説する。

本音で議論、企業情報システムの「勘所」
目次
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経営トップは計器無しで雲の中を飛んでいる、事故の前に見直しを
経営トップやマネジャーは計器無しで雲の中を飛んでいるようなものである。事故が起きる前に経営トップやマネジャーに計器を渡さなければならない。いや、もう事故は多発しているのではないか。期末が近づいて「なぜ足りない!」と経営トップやマネジャーが怒っている様子を見聞きしたことがないだろうか。
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やってもやっても終わらない、「ひとり情シス」が基幹システム内製でぶつかった壁
やってもやっても終わらない――。今回は「ひとり情シス」で基幹システム開発に挑戦し、ぶつかった壁と乗り越えるまでの工夫を紹介したい。
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製造業で「ひとり情シス」、1冊の本を頼りに基幹システムを全部つくった
基幹システムをつくり直したいが、やり方が分からず悩んでいるとき、書店で1冊の本を見つけた。読了して目からウロコが落ちる思いがした。この本に背中を押されて基幹システムをつくる挑戦を始め、苦労はしたもののなんとか達成できた。その経験を今回お伝えする。
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有志で探検隊を結成し、業務とシステムの混沌に踏み込もう
国内メーカーの情報システム部長は混沌としている業務と情報システムに分け入る“探検”プロジェクトを実施した。何がどうなっているかをつかめていない情報システムの担当者にとってまさに探検である。筆者はコンサルタントとして探検隊に随行した。
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地図なきDXは冥⼟の旅の⼀⾥塚、自ら描いてカオスを抜け出そう
冒険者にとっての地図や海図にあたるのが、企業にとっての「エンタープライズモデル」である。企業の変革に終わりがないのと同様に、エンタープライズモデルも絶えず進化させなければならない。
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システム間の「断層」に埋もれて見えないデータを救い出す方法
データ連携の問題を解決し、真のデータ活用をするためには、まず現状を把握して必要なデータの所在を確認し、互いにどのデータを連携すればよいのかを検討する。連携と活用の基盤を整備するのはその後である。
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今、最も足りないのはビジネスとITのモデル間を往復できる人材
新しいビジネスをつくり出す。すでにあるビジネスをもっと強くする。この2点が今求められていることだと私は考える。新規事業の開発やビジネス改革のやり方についてさまざまな提案がなされている。今回はビジネスを俯瞰(ふかん)する手法としてデータモデルを使うことを提案したい。
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データモデルがあれば担当者1人でも基幹システムを内製できる
データモデルは複雑な業務システムを見渡す地図の役目を果たしてくれる。自社のどこに強みがあり、どこが弱いかをはっきり示してくれる。情報システムに対する主導権を取り戻すためにも自社のデータモデルをあらためて整理し、自力で維持管理していく必要がある。
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沖縄の零細ソフト会社、考えに考えてローコードツールのメーカーに転身
沖縄に生まれたのだから沖縄に住み、沖縄の会社や団体から直接請け負って情報システムをつくりたい。並行して新しい技術を積極的に取り入れ、できれば全国で使ってもらえるソフトウエア製品をつくってみたい。
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「もっと楽はできないか」、プログラマーとして50年間考え続けたこと
「職業は何ですか」と聞かれたら即答できる。プログラマーである。70歳になったが頭と手が動く限り続けたい。「長く続けるコツがあるなら書いてみてはどうか」と言われたので50年間を振り返ってみた。やってきたことを一言で表現するなら「常に楽することを考え、自由な時間をつくってきた」となる。
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70歳現役プログラマーと30代3人のPython開発奮戦記、我慢の末に見えたこと
毎週月曜日の午後2時から1時間は私にとって楽しみだが試練のときでもある。今取り組んでいる開発プロジェクトの定例オンライン会議があり、3人の開発者が進捗(しんちょく)を報告し、分からない点を質問し合う。私はもっぱら聞き手にまわっている。
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Web世代の皆さん、企業情報システムを見たことがありますか?
世代論を語るのは難しい。社会や産業界における情報システムの担い手であるエンジニアにおいては世代によって知識やスキルに断絶がある。エンジニアも、エンジニアに依頼を出す人も、世代と世代の違いを知って行動する必要がある。
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若手エンジニアには分からない?業務システムになぜRDBが必要か
いささか刺激の強い題名は日経クロステック編集部が付けてくれたものだが若手のエンジニアを批判する意図はまったくない。題名にある「若手エンジニア」はかつての私だからである。
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顧客も技術者も不幸になる人海戦術に終止符を、実データで設計を吟味せよ
あるべきシステムの姿を描くにはどうすべきか。この永遠の課題に対する答えとして、実データによる設計の重要性を今一度考えてみよう。
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顧客の部門長に何が何でも会い、「あるべきシステム」を掘り出せ
「技術者が真面目に開発したシステムが顧客の経営や現場でうまく使えない」「バラバラのスキルの技術者をかき集める人海戦術がまかり通る」。これらの問題を考えているうちに中小企業診断士になり、ついで開発ツールメーカーを起業した。2度の転機を経てたどり着いた、使われないシステムの回避策をお伝えする。
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システム設計で成功したいあなたへ、業務ドメインにデータモデリングで切り込もう
業務の「ドメイン」を見通せるデータモデルを提示すると、業務部門の理解や気づきが促され、「この業務はこうしたらどうか」といった質の高い議論が可能になる。良いシステムができ、良い業務ができ、業務の人もシステムをつくる人も幸せになる。
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ジャック・ウェルチをぎゃふんと言わせた、伝説のコンサルに学ぶ「方法論」の本質
剛腕経営者として知られた米GEのジャック・ウェルチをぎゃふんと言わせた情報システムコンサルタントがいた。彼は世界初の商用システム開発方法論を開発した。新しい年を迎えた今、彼の言葉を通じて改めてシステム開発方法論の本質を考えていただきたい。
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設計者やプログラマーは「見えない問題の探求者」、創造の暗黙知を継承せよ
情報システムの設計やプログラミングにおける「創造」がなぜ起きるのか、その前提となる知識・技能をどう継承するのか。暗黙知の意義を論じた名著をひもときつつ考えてみたい。
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「RDB生みの親」の提言から50年、データの泥沼から出られない日本企業
「将来、大規模なデータバンクにおいては、データがマシン内でどのように編成されているか(内部表現)について、ユーザーが意識しなくて済むようにしなければならない」。リレーショナルデータベース(RDB)の生みの親、エドガー・フランク・コッド博士が1970年に発表した、いわゆる「コッド論文」の冒頭にある言…
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「構築すべきではないシステム」の構築を避ける目的手段展開法
もともと構築すべきでないものを効率的に構築するほど非生産的な営みはない――。構築作業を受注した側は効率的に作ることで利益を出せるが、発注者が満足できるとは限らない。そもそも発注者は構築すべきものをしっかりと明らかにしたうえで発注しているのだろうか。
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