この主キーに関連する業務情報も一緒に格納しておける。外部キーの参照などを定義すればテーブル間の関係を示せるので、情報がどのように使われ、形を変えて別の情報に変化していくかを明示できる。テーブル間をまたぐ業務処理もすべてではないが、かなりの程度まで導き出せる。
つまりデータモデルが決まれば業務フローと画面や帳票もほぼ同時に決まる。後はSELECT文ですくい上げたデータがそのまま画面・帳票に反映される仕組みを用意すればいい。
TALONはSELECT文によって引き出したデータをまとめた「ブロック」を複数組み合わせて機能(画面)を作成する。ブロックおよびブロックを組み合わせた機能はプログラム記述領域を持ち、各種のチェックや入力補助処理、計算式を定義できる。ブロックはデータの表現形式(単票、明細、グラフ、カレンダー、ガントチャートなど)も持つ。
業務システムの機能を作る場合、ブロック単位にSELECT文を書いて画面に表示するデータを決め、入出力のチェック制御や計算式を設定し、更新するテーブルを指定する。後はブロックをまとめた機能全体に対し、必要に応じて設定するだけで済む。設定した各種の情報から機能設計書を自動出力できる。
各ブロックの背景に必ずデータモデルがあるのでデータの矛盾を引き起こしにくい。このため業務を知っているユーザーはSELECT文さえ書ければ、後は簡単な設定だけで業務システムの一部の機能を作れる。処理が複雑な場合はプログラミングが必要になるので技術者が受け持つ。
複数のテーブルにまたがる業務は、あるブロックから別の機能のブロックを呼び出して連鎖的に処理する。例えば仕入れ処理の場合、仕入れブロックから在庫ブロックと受払ブロックを呼出し、仕入れ処理を一気に終えられる。
以上のやり方で開発した業務機能はサーバー上でもクラウド上でも実行できる。複数のデータベースを連携することも可能である。SalesforceのようなクラウドサービスからもSELECT文でデータを引っ張ってきて入出力処理ができる。業務機能はブラウザから呼び出してもよいし、Web-APIやバッチ起動で呼び出してもよい。非同期通信による自動再描画ができるのでリアルタイムの情報を画面に出し続ける処理も簡単に作れる。