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 親子関係、外部参照を持つデータモデルに基づく機能もSELECT文を定義するだけですぐに完成できる。図に示したのは新型コロナウイルスに伴う特別定額給付のような施策にあたって、申請を出すための仕組みである。

 申請という1機能をつくるために「住民給付申請」「世帯人別給付」「世帯人別給付条件」という3つのブロックを定義している。左下の明細データ(世帯別給付情報)1行目にあるボタンをクリックすると、右下の明細データ(世帯別給付条件情報)がリアルタイムに切り替わる。

1機能に3つのブロックを設定した画面とデータモデルの関係
1機能に3つのブロックを設定した画面とデータモデルの関係
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 これらのブロックは画面の上段に示したデータモデルに裏打ちされている。このモデルはIT勉強宴会理事の渡辺幸三氏が「十分な時間をかけて給付の仕組みを作り直せるとしたら、どう設計するか。仕様を技術者同士で考えてみたい」と述べて設計し公開したものだ。

ワクチン接種管理システムを高速開発

 しっかりしたデータモデルには業務の流れや振る舞いが表現されており、そこから業務フローや画面・帳票を導けることを説明した。最近開発した具体例を紹介する。

 IT勉強宴会は2月19日、『緊急開催「新型コロナワクチン接種管理システム」をローコード開発してみた』というイベントを開いた。給付に続き、渡辺氏がワクチン接種管理システムのデータモデルを提示した。

 そのデータモデルを元に私が業務フローを作り、当社のメンバー1人がTALONを使って、22の機能からなる実システムを構築し、ローコード開発コミュニティが3月5日に開催したイベントでデモンストレーションした。

 私がデータモデルを理解するのに2時間、業務フローを記述するのに4時間、それぞれかかった。必要な機能について私とメンバーで2時間ほど打ち合わせ、後はメンバー1人がのべ32時間で22機能を開発した。

 どちらのイベントもYouTubeで見られるのでデータモデルが持つ豊かさを体感いただきたい。データモデルを生かした業務システムの設計・開発に興味を持たれたらIT勉強宴会にぜひ参加してほしい。活発な議論がいつもあり啓発されると思う。実際、私はIT勉強宴会に参加してTALONの機能を強化するアイデアをたびたび得ている。