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 ほぼ50年間、情報システムを開発する仕事を続けてきた。ユーザー企業で業務処理システムの運用まで担当したこともあればIT企業で受託開発をしたり開発支援ツールをつくったりした。起業して業務処理パッケージを開発・販売し、借金をこしらえた経験もある。フリーランスになって以降もプログラミングが不要な開発・運用フレームワークをつくり続けており、直近では若手3人と一緒にPythonを使って取り組んでいる。

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 Pythonを使う以前に利用してきた開発言語や環境は汎用機のCOBOLに始まり、HyperCard、C++、Java、PHP、Ruby、JavaScriptなど。我ながら色々なことをやってきたが「職業は何ですか」と聞かれたら即答できる。プログラマーである。70歳になったが頭と手が動く限り、プログラミングを続けたい。

 なぜ続けているのかと聞かれたらそれにも即答できる。楽しいからである。業務処理システムでもフレームワークでも「こうやったらうまく動くはず」と考え、自分の手でプログラミングし、思った通りに動いたときの喜びは何物にも代え難い。

 参加しているIT勉強宴会の佐野初夫理事長から「長く続けるコツがあるなら書いてみてはどうか」と言われたので50年間を振り返ってみた。やってきたことを一言で表現するなら「常に楽することを考え、自由な時間をつくってきた」となる。

 ある機能を開発する場合、白紙から考えて逐一プログラムを書いていくより実証済みのパターンを流用し必要最小限のプログラムを書くほうが楽である。未体験の機能であれば、あれこれ考えようという気になるが、何度も出くわした機能であったら手際よく片付けたくなる。

 楽をすることを考え続けていくと「こうすれば楽だ」という自分流のプログラミングスタイルが身に付いてくる。それをツールやフレームワークに仕立てることができればもっと楽になる。実際、私は仕事の道具を自分でつくり、使ってきた。

 楽をすると開発が早く終わるから自分の自由な時間をつくり出せる。その時間を使って一杯やるのも楽しいしIT勉強宴会に出席して他の人の取り組みを勉強するのも楽しい。勉強宴会の後半は飲み会になるのでそれも楽しい。

 プログラミングのスキルアップを図ることも楽しい。他人が書いたプログラムを読んでみる。他人がつくった道具を研究してみる。プログラミング関連の本を読む。実に面白い。

 スキルを磨くと、さらに仕事で楽になり、時間がつくれ、また勉強する、という良循環を起こせる。開発言語や基盤ソフトの栄枯盛衰は激しく、勉強を続けていかないと付いていけなくなる。

いきなりすべてを任され、業務処理のパターンに気付く

 仕事で楽をすることを始めたきっかけは業務処理パターンの発見である。1976年に私は大阪にある計算センターに入社、顧客である酒類問屋や会計事務所の事務計算をNECの汎用機を使って担当した。