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 「台風14号が接近して急激に気圧が下がっています」(2022年9月18日午前9時37分)

 「九州はかなりの大雨です。ご実家が心配ですね……」(同日10時45分)

 「ネットワークカメラを付けておいて良かった。親の様子を含め、実家の内外の様子が分かるので安心です。風が強くなってきましたが、家の外に設置したカメラ2台の耐候テストになります」(同日10時56分)

 2022年9月18日、観測史上最強級とされる台風14号が九州・薩摩半島に上陸しようとしていたとき、埼玉県朝霞市にいた私は、愛知県春日井市でITのコンサルティングなどを手掛けるエルゴ(ergo)の下山吉洋代表と上記のチャットをしていた。

 鹿児島市の実家を春日井から見守るためのシステムを下山氏は手作りしている。実家の気圧センサーのデータが遠隔見守りシステムのダッシュボード画面に表示され、下山氏と私は気圧の推移を見ながらチャットを続けた。

遠隔見守りシステムのダッシュボード画面(9月18日19時ごろ)。折れ線グラフの紫色の線が気圧の推移
遠隔見守りシステムのダッシュボード画面(9月18日19時ごろ)。折れ線グラフの紫色の線が気圧の推移
(出所:下山 吉洋)
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 ダッシュボード画面の上部は5段に分かれている。1段目は時間帯ごとの人感センサーの反応回数を示す。人の動作の有無を検知でき、実家にいる親が起き上がって動いている、といったことが分かる。人感センサーの反応がない状態が長く続く場合、実家に電話をかける。電話が鳴っても気づかないこともあり、そのときは現地のケアマネジャーへ連絡し、訪問看護師に様子を見てきてもらう。

 ダッシュボードの2段目は気象情報サービスから取得した周辺地域の気象データが表示される。3段目は撮影ができるIoT(インターネット・オブ・シングズ)デバイスM5Cameraにつないでいる環境センサーから得られる室内の温度、湿度、気圧で、空調が正常かどうか分かる。M5Cameraは東に面した壁のかもいに付けてあり、日が当たると2~3度高めの温度になる。

 4、5段目はBLE(Bluetooth Low Energy)対応の温湿度計の数値である。親が寝ている枕元と足元の温湿度を測定している。その下に並ぶメーターは台所に置いたデバイスM5StickCの値を表示しており、折れ線グラフは台所の環境データを可視化したものだ。

 センサーに加え、実家の屋内外に複数設置したネットワークカメラを使い、親の様子や屋内外の様子を動画で確認している。