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 「もともと構築すべきでないものを効率的に構築するほど非生産的な営みはない」

 これは私が所属するプライドが提供してきたシステム開発方法論において、長年大事にしてきた考え方の1つである。構築作業を受注した側は効率的に作ることで利益を出せるが、発注者が満足できるとは限らない。そもそも発注者は構築すべきものをしっかりと明らかにしたうえで発注しているのだろうか。

 生産的な営みのためには「構築すべきもの」を明らかにすることが必要だ。その取り組みを「プロジェクトGOALの共有」と呼び、具体的な方法として「目的手段展開」をお伝えする。あえて英語で書くがGOALとは情報システムの構築によって目指す最終地点を指す。一番大事な目的と言ってもよい。

図 「目的手段展開」の実例
図 「目的手段展開」の実例
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 私が実際にファシリテートした目的手段展開の結果を写真に撮った。付箋紙は現物なので読めない解像度にしてある。あるプロジェクトにかかわっている10数名の参加者がアイデアを出し、それらを付箋紙に書き、数時間かけてアイデア同士の関連を見いだし、会議室の壁に展開した。最上段にGOALが掲げられている。アイデアだけではなく、実行上の問題も議論し、問題解決策を考え、斜めに貼って強調した。

なぜGOALの共有が必要か

 「GOALとは情報システムの構築によって目指す最終地点」と述べた。ここでいう情報システムは、組織で仕事をする人、仕事のルール、業務の仕組み、コンピューターやネットワークとその中で動くアプリケーション、すべてを含む広義のものである。

図 狭義の情報システムと広義の情報システム
図 狭義の情報システムと広義の情報システム
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