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 1人で顧客企業の相談に乗り、必要な業務システムを設計し、開発し、納品する。業務システムといっても、販売や請求の管理、製造業の商品の自動設計といったアプリケーションから、手作りの勤怠管理用タイムレコーダー、見守りIoT(インターネット・オブ・シングズ)まで幅広い。頼まれればシステムの運用やPCの教育、機器販売も手掛ける。

 私がやっていることを列挙するとこうなるが、一言で何と呼んだらいいか、それが難しい。当社のWebサイトには「総合コンサルタント」と書いておいたが、本欄への執筆を依頼してきたIT勉強宴会の佐野初夫理事長は気に入らないらしく、「開発のサブスクリプション(定額課金)サービスはどうか」と言ってきた。

 数社と契約し、毎月ほぼ定額料金をいただいて、顧客の相談に乗り、冒頭に書いたことをやっている。月額料金制で価値を提供しているから今風にサブスクリプションと言えばいい。これが佐野氏の意見である。

 だが説明を聞いた日経BPの編集者はサブスクリプションを採用せず、「ITの何でも屋」という呼び名を前回記事に付けてくれた。

前回記事: 設計やプログラミングに機器の販売・設置まで、「ITの何でも屋」は楽しい

 「言われてみるとITの何でも屋だなあ」と私は思ったが、佐野氏はまだ納得しない。今回の寄稿の打ち合わせをした際、「共創型取引と呼んではどうか」と提案してきた。

 顧客と私は対等の関係にあり、業務とそれを支えるシステムを共に創造している。何でも屋では、顧客から言われた通りにする、主体性がない印象を与えかねない、と佐野氏は思っているようだ。

 佐野氏が呼び名にこだわっているのは、次のように考えて執筆を依頼してきた経緯があるからだ。「プログラミングはとても面白い。けれども将来、自分はどうなるのか、いつまで仕事を続けられるのか、と不安に思っておられるプログラマーの方は多い。下山さんの仕事のやり方は答えの一つになるはずだからそれを書いてほしい」。

 過分な評価だが、確かにプログラミングは面白いし、顧客の業務システムを考案し、それを設計するところも楽しい。1人でやっているので仕事を受けるか受けないかを含めて活動の方針を自分で決められる。

 知り合いの顧客が「困りました」と相談に来てくれても、通常の企業人であれば経営者でもない限り、「任せてください」と即決できないが、私は簡単にできる。面白いと思ったアイデア、技術やツールがあれば「今度、やってみたいのですがいいですか」と提案し、すぐに実践している。