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 宇宙ビジネスが進化している。発信した電波の反射を利用する「合成開口レーダー」(SAR:Synthetic Aperture Radar)。悪天候で雲がかかっていても、深夜で日が差さない場所でも地表を観測できる電波の眼だ。技術革新で小型化が進んだSARを活用した新たな人工衛星ビジネスが世界各国で勃興しているのだ。連載第10回では、米カペラスペース(Capella Space)の取り組みを紹介する。

 受注してから数時間以内にSAR衛星が撮像したデータを顧客に届ける――。これが米カペラスペース(Capella Space)最大の“売り”だ。同社初のSAR衛星は2018年12月に打ち上げた「Capella 1」だ。その後、36機のSAR衛星を打ち上げ、地球上のすべての場所を1時間間隔で撮像可能にして、「オンデマンド」でスピーディーにデータ配信できる体制を整えようとしている。

カペラスペース初のSAR衛星Capella 1。面積が100平方フィート(約9m<sup>2</sup>)もある大型で高感度の展開アンテナを持つ。2018年12月に打ち上げた。
カペラスペース初のSAR衛星Capella 1。面積が100平方フィート(約9m2)もある大型で高感度の展開アンテナを持つ。2018年12月に打ち上げた。
(出所:カペラスペース)
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 最大の顧客は米政府系安全保障組織だ。国土の保全や国民の保護を含む、広義の安全保障分野でのデータ利用開拓に取り組んでいる。