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 2019年10月31日未明に発生した首里城火災から3カ月がたった。日経クロステック/日経アーキテクチュアはこのほど情報公開請求により、那覇市消防局の消防活動報告書を入手した。報告書には、火災現場の状況や延焼経路が記されている。木造の正殿が炎に包まれ、次々と隣接する建物に燃え移る中、猛烈な輻射熱(ふくしゃねつ)の影響で消防隊は何度も一時避難を強いられ、消火活動は困難を極めた。

 2019年10月31日未明、沖縄文化の象徴と言われる首里城(那覇市)の正殿を含む中心建物が次々に炎に飲み込まれた。建物は、警備員が火災を確認した午前2時半ごろから約11時間燃え続けた。

 19年2月に正殿東側の御内原(おうちばら)エリアの復元を終えて、30年以上の歳月をかけて進めてきた復元整備に一区切りついた矢先に起きた大規模火災。正殿や北殿、南殿・番所など7棟が全焼、奉神門(ほうしんもん)が半焼した。出火元は正殿北東部の部屋とみられているが、出火原因は特定できていない。

火災後に那覇市消防局が撮影した首里城正殿付近の様子。木造の正殿や書院・鎖之間、奥書院が焼失し、鉄筋コンクリート(RC)造の南殿・番所や黄金御庭は躯体だけが残っている(写真:那覇市消防局)
火災後に那覇市消防局が撮影した首里城正殿付近の様子。木造の正殿や書院・鎖之間、奥書院が焼失し、鉄筋コンクリート(RC)造の南殿・番所や黄金御庭は躯体だけが残っている(写真:那覇市消防局)
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火災による焼損状況
施設名 構造 階数 延べ面積 被害状況
正殿 木造 3階建て 1199m2 全焼
北殿 RC造、外観木造 1階建て 467m2 全焼
南殿・番所 RC造、外観木造 2階建て 609m2 全焼
黄金御殿 RC造、外観木造 2階建て 991m2 全焼
書院・鎖之間 木造 1階建て 621m2 全焼
二階御殿 1階RC造、2階木造 2階建て 429m2 全焼
奥書院 木造 1階建て 57m2 全焼
奉神門 RC造、外観木造 2階建て 5113m2 半焼
火災では、木造で復元した正殿や書院・鎖之間だけでなく、RC造の建物も全焼した。首里城は正殿東側のエリアの復元が2019年2月に完成し、30年以上の歳月をかけて進めてきた復元整備に一区切りついたばかりだった(資料:総務省と内閣府沖縄総合事務局の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)

 なぜここまで被害が拡大したのか。首里城指定管理者の美ら島(ちゅらしま)財団への取材や日経アーキテクチュアの情報公開請求に対し那覇市消防局が開示した消防活動報告書から、火災現場の状況や延焼経路が明らかになった。

 火災当日の午前2時34分。首里城正殿1階に設置していた防犯用の人感センサーが発報した。防災センターがある奉神門(ほうしんもん)から駆け付けた警備員が正殿北側のシャッターを開けて内部を確認すると、前方が見えないほど煙が充満していた。

 火災を察知した警備員は、消火器を取りに奉神門に戻った。その後、再び正殿へ向かうと正殿正面(西側)から炎が噴出していた。消火器を使用して初期消火を試みるも、消火できなかった。この頃、正殿内に設置していた火災報知器が発報した。

 通報を受けて午前2時48分に消防隊が現場に到着。正殿に急行し、放水を開始した午前2時59分には、既に正殿内部は炎に包まれ、開口部から勢いよく炎が噴出していた。

火元となった正殿の1階平面図。人感センサーが発報後、警備員が正殿北側から内部に入ると煙が充満していた。警備員が消火器を持って正殿に戻ると正殿正面から炎が噴出していた。人感センサーの発報から6分後に火災報知器が発報したが、どの報知器が発報したかは分かっていない(資料:沖縄美ら島財団の資料に日経アーキテクチュアが加筆)
火元となった正殿の1階平面図。人感センサーが発報後、警備員が正殿北側から内部に入ると煙が充満していた。警備員が消火器を持って正殿に戻ると正殿正面から炎が噴出していた。人感センサーの発報から6分後に火災報知器が発報したが、どの報知器が発報したかは分かっていない(資料:沖縄美ら島財団の資料に日経アーキテクチュアが加筆)
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