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 週休3日制を導入し、そこから成果を得るには何をすべきだろうか。日本マイクロソフトは約2300人の社員を対象に2019年8月限定ながら週休3日制を導入。売上高を伸ばす成果を得た。同社の事例からそのための3つの「秘策」が見えてきた。見える化、休日の充実施策、そして自己啓発の3点である。

(写真:123RF)
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 1つ目の見える化は導入効果を測る前提になるものだ。同社の働き方改革推進チームのメンバーである岡部一志業務執行役員コーポレートコミュニケーション本部長は次のように話す。「昔は厳密な効果測定は困難だった。テクノロジーの進化のおかげでより多くのことが分かるようになった」。

 同社は10年ほど前から継続的に働き方改革に取り組んできた。当初から、社員の労働時間や休暇取得など勤怠に関するデータは他社と同じように整備してきた。一方で、「メール作業時間」「会議時間」といった社員の行動に関わるデータは取得できていなかった。2年ほど前までは社員がスケジューラーを見返し、それを自己申告してもらっていた。労力がかかるわりに正確性に欠けていた。

 だがいまや、ITの進化によって社員の行動に関するデータは様々な手段で取得できるようになっている。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やチャットツールを業務のためのコミュニケーション手段として利用する機会が増えた。オンラインでビデオ会議する場面も多くなった。社員の行動をデータとして集め、分析できるようになったのだ。

 日本マイクロソフトはこうしたITツールを売るITベンダーの立場にある。自社のツールを活用して成果が出せれば販促にもつながる。週休3日制の導入に当たり、同社は自社のツールを活用して社員の行動の見える化を実践した。例えばチャットのやりとりの時間や相手について、個人単位や部署単位で把握。誰と何時間共同作業したかなどを分かるようにした。会議などに費やした時間を売上高など他のデータと組み合わせて分析し、生産性を割り出した。

 こうした分析から無駄が見えてきた。同社の場合、会議の時間だった。自社の会議時間だけが分かっても、それが適正かどうかは判断しづらい。マイクロソフトの場合、他国で同様の業務をしている部署との比較が容易だ。日本法人は他国と比べて会議時間が突出して長かったため、週休3日制を機に会議時間を減らすよう社内に呼びかけ、実践した。