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IT(情報技術)を駆使して赤ちゃんの育児を効率化する「ベビーテック」が注目を集めている。核家族化や共働き世帯の増加により、育児の負担が親に重くのしかかるようになっている。この問題を解決すべく、赤ちゃんの育児にITを活用する動きが広がってきた。

 米国はベビーテックの先進国だ。2020年1月に米国ラスベガスで開催されたデジタル技術の世界最大の展示会「CES 2020」で多数のベビーテック製品が展示された。その中から、筆者が2人の子どもを育てた経験を踏まえて3つの製品を厳選し紹介する。実用性の高さを基準に選んだ。

センサー、アプリ、カメラで赤ちゃんを見守る

 赤ちゃんが生まれると、多くの親は排せつや睡眠といった「活動記録」を手書きメモやスマートフォンアプリに記載して管理する。しかし赤ちゃんのケアに追われてうっかり記録し忘れることも多い。

 この問題を解決する助けとして、米プロクター&ギャンブル(P&G)が開発したのがIoT(インターネット・オブ・シングズ)を駆使したスマート紙おむつの「Lumi by Pampers」だ。

「Lumi by Pampers」は紙おむつセンサー、ビデオカメラ、スマートフォン向けアプリを組み合わせて見守りを助ける
「Lumi by Pampers」は紙おむつセンサー、ビデオカメラ、スマートフォン向けアプリを組み合わせて見守りを助ける
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 紙おむつに取り付けたセンサー、赤ちゃんを撮影するビデオカメラ、情報を閲覧するスマートフォンアプリの3つで構成される。紙おむつセンサーとビデオカメラで赤ちゃんの活動記録をデータ化しアプリに集約することで、親による赤ちゃんの見守りを助ける。

 紙おむつセンサーは、おむつのぬれや赤ちゃんの睡眠状態を感知する。ビデオカメラはナイトモードを搭載しており、暗い部屋でも赤ちゃんの動きを24時間トラッキングし、睡眠周期を管理する。ビデオカメラは室温計や湿度計のセンサーも備えており、部屋の室温や湿度も管理する。おむつがぬれるとセンサーが感知し、スマホのアプリに通知がいく仕組みだ。

 こうしたデータはすべて専用アプリに集約される。親は赤ちゃんの排せつや睡眠の周期性を把握でき、健康管理などに役立てる。

利用イメージ。アプリはiPhone、Androidのスマホのほか、タブレットでも動作する
利用イメージ。アプリはiPhone、Androidのスマホのほか、タブレットでも動作する
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 センサーとスマホはBluetoothで接続する。センサーはメモリーを持っており、スマホとBluetoothで接続できないときでも最長12時間までの履歴を保存できる。スマホがBluetoothの通信範囲に入るとアプリのデータを更新する。ビデオカメラをWi-Fi接続しておくことで、外出先などからスマホを使いライブストリーミングで赤ちゃんの様子を見ることも可能だ。

 Lumi by Pampersの価格はセンサー1つとモニター1台、10日間のおむつをセットにして349ドル。センサーのバッテリーは約3カ月持ち、おむつの詰め替えは1カ月59.95ドルでサブスクリプション契約も可能だ。2019年秋から売り出された。

自動で調乳し、できたらアプリに通知

 赤ちゃんのケアで親の大きな負担となる作業の1つが授乳だ。新生児であれば1日に7~8回授乳する必要があり、何度もミルクをつくらなければならない。月齢に応じて粉ミルクの量を調整し、熱いお湯を注いだ後、適温に冷ます必要がある。大変なのは赤ちゃんが昼夜問わずミルクを飲みたがることだ。深夜に眠たい目をこすりながら、こういった作業をするのは非常につらい。

 米ベビーブレッツァ(Baby Brezza)が発表した「Baby Brezza Formula Pro Advanced WiFi」は、授乳の負担を減らす製品だ。スマホアプリの操作だけでミルクを自動でつくることができる。

「Baby Brezza Formula Pro Advanced WiFi」はキッチンにも溶け込むスタイリッシュなデザインだ
「Baby Brezza Formula Pro Advanced WiFi」はキッチンにも溶け込むスタイリッシュなデザインだ
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 粉ミルクと水、哺乳瓶をセットしたらスタートボタンを押し、あとはでき上がるのを待つだけ。調乳が終わればスマホに通知が届くため、ミルクができ上がるまで赤ちゃんをあやしていればいい。